カルト教団で信者11名が不審死 「不快な物の摂取強要」と家族が警察に相談
そのカルト教団は、病気に苦しむ人ばかりを集め、非科学的で危険な民間療法を薦めていた。
このほどタイで、カルト教団を運営していた75歳の教祖が逮捕された。11名の信者が不審死を遂げたことを、『Bangkok Post』のほかイギリスの『Mirror』などが報じている。
■信者の家族が警察に相談
カルト教団で信者が次々と不審な死を遂げるという事件が発覚したのは、タイ北部チャイヤプーム県のコーンサーン地区にある寺院だ。
信者の家族などから「教祖に強要され、非常に不快なものを摂取しているようだ」という苦情が相次いだことから、地元警察が8日に寺院を急襲。施設内で信者とみられる11名の遺体を発見した。
■不快な物を摂取するよう強要
警察はそこで、「スピリチュアルな父」と名乗っていたタウィー・ナンラという75歳の男の教祖を、不作為による殺人、薬事法違反、証拠隠滅などの容疑で逮捕した。
ナンラ容疑者は信者に自分の尿と糞便、体液、頭皮のフケ、皮膚の落屑などを与え、食べるよう強要していたという。
■病気に苦しむ人々を集め…
病気に苦しむ人々を集めて巧みにマインドコントロールを図り、非科学的で危険な民間療法を薦めていたにもかかわらず、ナンラ容疑者を慕う信者は数十名いた模様だ。
9日、プーキアオ地方裁判所はナンラ容疑者の身柄を拘置所へ送った。設定された保釈保証金5万タイ・バーツ(日本円にして約18万7,000円)を62歳の弟が支払ったため、間もなく保釈となったという。
■「精神病患者のすること」
信者に相次いだ不審な死についてもう1つ注目されているのは、ナンラ容疑者が「ヤドン(ya dong)」と呼ばれる漢方薬を自身で調合し、処方していたこと。そこには動物の毛、骨、ココナッツの殻などが含まれていた。
この事件に関し、タイ副首相兼保健相であるアヌティン・チャーンビラクル氏は「まさに精神病患者のすること」と強く批判している。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)