訓練生に「精液を飲め」と強要 動画流出でタイ海軍軍曹が懲戒処分に
世間からは「人権侵害だ」「その若者に謝罪しろ」といった声が噴出している。
世界のどの国においても、軍隊の訓練は想像を絶する厳しさだと言われている。しかし、指導が違法なしごきや陰湿ないじめと化すようでは問題だ。
今から半年ほど前、タイの海軍から驚くような動画が流出し、波紋が広がっていることを『COCONUTS BANGKOK』『THAIGER』などが報じた。
■タイ海軍中枢の基地で
問題の動画が飛び出したのは、タイ・チョンブリー県にあるサッタヒープ基地。有名なパタヤビーチの南に位置し、潜水艦部隊司令部を置く、タイ王国海軍の中枢といわれている基地だ。
昨年10月、その基地のセキュリティ部門で訓練が行われていたなか、上官が1人の訓練生に「射精して精液を飲め」と強要。その様子を捉えた動画が外部に流出した。
■「人権侵害の最低な行為」
「命令されたことには絶対に逆らえない」という軍隊の世界。訓練生は上官の指示に従い、精子を飲み込もうとして吐いてしまったという。
彼はある大学の学位プログラムの一環として、海軍の訓練に6ヶ月間参加していた。すべての訓練課程を修了してすでに大学に戻っているが、世間からは「人権侵害だ」「謝罪しろ」という声が噴出している。
■1名を懲戒処分に
この件を重く受け止め、調査を行ったタイ王国海軍のソンプラソン・ニルサマイ大佐は、このたび広報担当者を通じて「動画の内容は事実であり、タクシン・ゴクピライという軍曹1名を懲戒処分にした」と発表した。
また、訓練における必要以上のしごき、暴行、いじめなどをなくすべく、上官の再教育を行うと約束している。
■便器をなめさせるいじめも
新しく入隊した兵士や士官候補生への異様なしごきで、死傷者を出したこともあるタイの軍隊。しかし身体的なダメージだけでなく、ひどい屈辱感を与え、心に傷を負わせるいじめも大きな問題だ。
実弾が入った銃を向けて威嚇するほか、トイレや室内の掃除が不十分だとして便器をなめさせる、ホコリを食べさせるなど、許しがたいいじめの行為が、アジア各国の軍隊から伝えられている。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)