腰痛に悩む25歳女性の仙骨に乳幼児頭大の巨細胞腫瘍 X線検査でも見つからず
「姿勢が悪いから」と整形外科医は言ったが、婦人科の検査でひどい腰痛の原因が見つかり…。
長いこと腰痛に悩まされているという人。原因は人それぞれだろうが、背景に恐ろしい病気が潜んでいることもしばしばだ。20代の女性が今、大変な腰痛の症状と闘っていることをイギリスの『Metro』などが報じている。
■「姿勢が悪い」と整形外科医
女性はアメリカ・ペンシルベニア州のフィラデルフィアに暮らし、双子の育児に励んでいるエリー・チャンドラーさん(25)。彼女は産後の2019年12月ごろから、背中と腰の痛みに悩むようになった。
2021年10月に初めて整形外科を受診してレントゲンを撮ってもらったが、医師は原因がわからないとして「姿勢の悪さを治すように」と指導。エリーさんは骨盤をサポートするクッションを購入し、鎮痛剤を飲むことになった。
■胃腸科、泌尿器科から婦人科へ
だが痛みは増し、排尿や排便にも支障を感じるようになってきたエリーさんは、尿路感染症や過活動膀胱、過敏性腸症候群を疑ってさまざまな科を受診。しかし、解決には至らなかった。
そのしばらく経った後、エリーさんは子宮や卵巣など婦人科の定期健診を受けた。そこで超音波検査を行った若い女性の医師が、直腸と膣の間に大きな塊の存在を発見。CT検査で、それが仙骨から発生していることを突き止めた。
■赤ちゃんの頭大に育っていた腫瘍
大きな病院での1週間にわたる検査入院を経て、エリーさんは「悪性ではない巨細胞腫瘍」と診断された。腫瘍のサイズはなんと直径14cm。赤ちゃんの頭大にも育っていた。
腫瘍をいきなり摘出すると腸にダメージを与える危険があり、エリーさんは今、腫瘍を数ヶ月間かけて縮小させるための注射を定期的に打ってもらっている。「こんなになるまで、なぜ他のお医者さんは発見できなかったの?」と悔しくて仕方がないという。
■レントゲンで判明しないことも
巨細胞腫瘍は、成長が止まり、骨端軟骨線が閉鎖した後の20~30歳代で発生する骨の腫瘍。多くが良性だが繁殖力が強く、まれに肺などに転移して命を落とすこともある。
部位としては大腿骨、脛骨、上腕骨、橈骨(とうこつ/前腕の親指側にある細長い骨)などの末端に発生することが多いが、脊椎や骨盤、仙骨にも発生するという。
エリーさんは自身の経験から「耐え難い腰痛には必ず原因があるものです。私の場合、レントゲンではわかりませんでした。解決しないときは、より詳しい検査をとお願いしてみてください」と訴えている。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)