ゴルフ場の脇に住む一家が裁判で4億円勝ち取る 700個ものボールが自宅を直撃
住居選びは立地が重要。商店や学校が近く便利でも、安全とは限らないことも…。
新しい住居を探す上で重要になる立地条件。空港の近くは騒音、そして病院や消防署の近くは日夜を問わないサイレンの音に悩まされるという。このたび、アメリカのあるゴルフ場の脇に住まいを構える一家が裁判を起こし、大きな注目を集めた。『TMZ』や『Golfweek』などが報じている。
■自宅を9,800万円で購入
アメリカ・マサチューセッツ州プリマス郡の、キングストンという町にある『インディアン・ポンド・カントリー・クラブ』というゴルフ場。
エリク・テンツァーさん(43)さんと家族は、その15番ホールのすぐ横に建つ4ベッドルームの一軒家に2017年4月から住んでいた。約84坪あるその住居を、約9,800万円で購入していたという。
■外壁や窓ガラスが破損
テンツァーさんの弁護士を務めるロバート・ガルヴィン氏によると、一家はその後4年間にわたり、猛スピードで自宅に向かって飛んでくるゴルフボールに悩まされてきた。
住み始めてから現在まで、回収したボールの数はなんと700個。外壁はへこみ、割れた窓ガラスは26枚にものぼる。その都度、新しい窓ガラスと交換してきたのだった。
■「命の安全にも関わる問題」
「自宅でくつろいでいても、いつボールが飛んでくるか分からない」と話すテンツァーさんは、ついにゴルフ場を起訴することに。また、ガルヴィン弁護士は「豪速球のゴルフボールが飛んできたら、家が破壊されるだけでなく、命の安全にも関わってきます」と訴えている。
なお、付近の都市開発事業では、ゴルフ場建設の前から住宅街となることが計画されていたという。
■ゴルフ場に支払い命令
プリマス郡の裁判所でこのほどその裁判が開かれた。被告となったインディアン・ポンド・カントリー・クラブ側は、「当方の責任ではない。ゴルフ場のそばに引っ越してくる段階で、危険は予測できたはず」と反論した。
だが、判事は被告に対し、修理代や損害賠償を含め350万ドル(日本円にして約4億6,000万円)の支払いを命じ、原告側の勝訴で裁判は閉廷した。なお、この裁判を機にゴルフ場は15番ホールの距離を短くし、コースのレイアウトを変更したという。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)