歯科の研磨ドリルの先が外れて患者の肺に 4日かけロボットカテーテルで除去

「外科的手術は最終手段に」と医師。最新鋭のロボットカテーテルでの除去が採用された。

2022/04/24 19:30


歯医者・ドリル

アメリカ・イリノイ州の男性が最近、歯科医で驚くような経験をした。虫歯を削るための研磨ドリルの先に取り付けられたドリルビット(バーとも)が外れてしまい、スルッと喉の奥に入り込んでしまったのだという。

恐ろしいアクシデントの話題を『WISN-TV』『KFVS-TV』などが伝えている。


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■突然はずれたドリルピット

驚きの話題を提供したのは、歯科医で 虫歯の治療を受けたというイリノイ州在住のトム・ジョッシさん(60)。歯科医が虫歯を削っていたところ、研磨ドリルの先に取り付けられていた長さ2センチのドリルビットが、カチッと外れてしまったという。

どこに飛んだのか歯科医はあわてて探したが、どうしても見当たらなかったという。

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■CTで判明した肺の異物

トムさんが咳をしていることが気になった歯科医は、喉の奥についてCTを撮ることに。その画像から、肺に細長い異物が入り込んでいることが判明した。

トムさんはただちに、北に位置するウィスコンシン州のオーロラ・メディカルセンターに運ばれ、人工的に眠らされた後、外科医がドリルビットの除去を試みた。最初に検討されたのは、胸を開いての外科的手術だったという。

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■ダメージの少ない方法を考慮

しかし、執刀医はその後のダメージを予想して「より低侵襲な方法を。外科的手術は、どうしても除去できなかったときの最終手段に」と考えた。

その代わりに選択されたのは、米国食品医薬品局(FDA)の承認を得た「イオン肺生検システム」で使用されているロボットカテーテルだった。そして、ついにその装置でドリルビットを吸い込むことに成功。やっとトムさんの肺は安全な状態になった。


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■「異物感はなかった」

4日目に眠りから覚めたトムさんは、除去が成功したと知って、執刀医の思慮深さと腕の良さに心から感謝の言葉を述べた。

一方で「あのときは、何も感じませんでした」と話し、医療スタッフを驚かせている。2センチもある金属の細い棒が気管の奥に入って行ったというのに、異物感はまったくなかったというのだ。

ちなみに問題のドリルビットは、現在トムさんの自宅で棚の上に飾られているという。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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