遠方転勤でうつ病発症の男性が自殺 上司は「戻りたければ妻を一晩貸せ」
男性は3年以上前から、職場で上司2名にいじめられていた。
転居するほどの距離ではないが、通勤にかなりの時間を要する土地への転勤が決まったインドの男性。彼はみるみる体調を崩し、上司の言葉がきっかけで、このほど自ら命を絶ってしまった。ある夫婦の悲劇的な話題を、『ZEE NEWS』『Presswire18』などが報じている。
■ 3年前から職場に嫌な上司
ウッタルプラデーシュ州のラキンプールで今月9日の夜、電力会社に勤務していたゴークル・プラサドさんという45歳の男性が焼身自殺を図り、死亡した。
事件性を調べていた警察に対し、妻のラジクマリさんは「3年以上前から『職場に嫌な上司が2人いる』という話を聞いていました」と話したという。
■連日150kmの距離を往復
ゴークルさんは数週間前、パキスタンとの国境にも近いウッタルプラデーシュ州のバムナガールから、南西に150キロほど離れたアルガンジにある変電所への転勤を命じられた。
転居するほどの距離ではないと言われ通勤することになったが、未明に自宅を出て深夜に戻るような生活は大変で、やがてゴークルさんは体調を崩し、うつ病を発症した。
■驚きの交換条件
心身の限界を感じたゴークルさんは、上司に地元勤務に戻りたいと相談。すると上司は「だったら君の奥さんを一晩だけ貸せよ」と驚くような交換条件をつきつけてきた。
絶望と怒りとで、ゴークルさんは焼身自殺を決意。しかし、遺族と警察にそうした事実を知らせるべく、決行する前に自撮りの動画を残しておいた。
■うつ病を発症しても容赦せず
「夫は転勤が決まったときも『嫌がらせだろう』と言っていました。うつ病の薬を飲むようになっても、彼ら(上司たち)は情けを見せてくれませんでした」と話す妻のラジクマリさん。
ゴークルさんを自殺に追い詰めた罪は重いとして、警察は職場の上司2名について事情聴取を行うとともに、そのうちのナジェンドラ・シャルマという上司に対しては、遺族に慰謝料を支払うよう命じた。現在、警察の調査委員会が刑事告訴に関して審議中だという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)