顔に悪性腫瘍ができた1歳児 化学療法を受ける姿に世界から募金のエール
祖父の募金呼びかけに、さっそく高額の医療費を援助したいと考える人たちが集まった。
スコットランドに、極めて稀ながんが顔面に発生し、1歳5ヶ月の今、つらい化学療法を1日に2度も受けているという男の子がいる。
「この子の命を1日でも長く」と祈る両親と幼い兄に、世界から募金のエールが届いていることがわかった。
■徐々に腫れてきた右頬
スコットランド・サウスラナークシャーのハミルトンで、レオくん、ルカくんという幼い兄弟を育てているキーラン・ブラナンさん(30)と妻のシャナンさん(30)。
夫妻がルカくんの顔面の異変に気付いたのは、生後3ヶ月のとき。右側の頬が腫れて小児科を受診したが、医師は「超音波検査では異常を感じない」「何かの炎症で、じきに腫れは引くと思います」と言うだけだった。
■場所的に手術は困難
だが腫れが引く気配はなく、大きな病院で精密検査を受けたところ、炎症性筋線維芽細胞腫瘍(Inflammatory myofibroblastic tumor:略称IMT)と診断された。中間悪性腫瘍で良性のものが多いなか、ルカくんの腫瘍は悪性だった。
IMTが首より上に発生するのは極めて稀で、腫瘍はあごと首の神経や静脈と絡み合っていた。医師は「顔面神経を冒すリスクが大きすぎる。手術は困難」と説明し、腫瘍を縮小させる12ヶ月間の化学療法が選択された。
■祖父が募金を呼び掛ける
そんなルカくんについて、このほど祖父のジョン・ブラナンさんがクラウドファンディングの『GoFundMe』にページを開設。ルカくんは心身の発達も順調で、5歳の兄レオくんともよく遊び、飲食も上手にできるため、決して希望は捨てていないとつづられている。
さっそく高額の医療費を援助したいと考える人たちが注目し、募金の目標額(日本円にして50万円弱)をあっという間に突破。すでに倍以上の108万円ほどが集まっており、今後も伸びると期待されている。
■気軽に利用できる社会貢献
クラウドファンディングには、「お金を世の中のために使いたい」と考える富豪や経済的に余裕のある高齢者が訪れることが多いという。自宅からでも気軽に募金ができるため、注目度はますますアップしている。
ただし、不治の病を装って高額の募金を呼び掛ける悪質な事例が稀にあり、その人物のSNSなどで事実を確認することは重要だという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)