10年前に連れ去られたチワワと涙の再会 「マイクロチップのおかげ」と飼い主
連れ去られた犬は、遠方に売り飛ばされている可能性も。発見にはかなりの時間を要するだろう。
英国ケント州のベッケンハムで2012年、1匹のチワワが飼い主の少女から無理やり引き離され、連れ去られてしまった。だが10年もたったこのほど、ついに再会がかなったそうだ。『My London』『Chester Standard』などが、嬉しいニュースを報じている。
■リードを切られ連れ去られる
チワワの本当の飼い主は、テイ・ベネットさんという現在22歳の女性。2012年8月、テイさんがある公園で当時2歳だった愛犬オリーを散歩させていると、男が近づいてきてオリーを抱き上げ、リードを素早くハサミで切り、車に乗せて去って行った。
テイさんはなす術もなく立ち尽くし、その後は恐怖と悲しみとで毎日泣いて暮らしていたという。
■行方不明のポスターも虚しく…
家族はオリーが行方不明であることを知らせるポスターを2度にわたり制作し、見つけてくれた人には報酬も準備した。だが情報は全く得られず、落ち込むテイさんのために、親はダックスフントを新たに購入。チリと名付けられた。
連れ去られたということは、新しい飼い主がいるということ。事故にあったと心配する必要だけはないと考え、テイさんはやっと前を向くようになった。
■自宅から36km離れた町で
そして10年がたった今年3月25日、自宅から36キロも離れたロンドン西部のハウンズローという町で、公園をとぼとぼと歩いていたオリーが保護された。
ただちにハウンズローの動物福祉局へ向かったテイさんは、涙を流しながらオリーを抱きしめ、自宅に連れて帰ると獣医のもとで検査を受けた。オリーは、繁殖が目的で盗まれたことが考えられるという話だった。
■マイクロチップのおかげで
犬が連れ去られた際、遠方に売り飛ばされている可能性は十分にあり、よほどの外見的な特徴がないと、年月がたつほど照合は難しくなる。事実、テイさんも「10年前とは外見や吠える声が全然違っていました」と話している。
そんななかで威力を発揮したのは、オリーの背側頚部に埋め込まれたマイクロチップだった。是非論はあるものの、イギリスでは行方不明になった犬の約半数がマイクロチップのおかげで飼い主の元に戻っているとのことだ。
テイさんも「愛犬のためにもぜひ検討して」と呼び掛けている。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)