16歳少年がアル中の父親を鉄棒で殴殺 長年続いた暴力から母を救おうと…
アル中で暴力的な父親に「母を守るにはこれしかない」と次男が犯行に及んでしまった。
アルコール依存症で家庭内暴力をやめない父親が、実の息子に殺害されるという事件がインドで起きた。「家族を救いたくてやった」と話している息子。しかし、誰1人幸せにはなっていないという悲しい現実を、『Times of India』『Times Now News』が報じている。
■16歳次男が父親を殺す
事件はインド・マハラシュトラ州のムンバイ北部にある、カンディバリという町で23日午後8時30分ごろに起きた。
16歳の次男が46歳の父親を鉄の棒で殴って殺害したもので、被告人が未成年であるため、この殺人事件の犠牲者、加害者の名前はいずれも明らかにされていない。
■酒に酔うと拷問のような暴力
事件の後、次男は家族に付き添われて警察へ向かい自首。取り調べに対し、「拷問のような暴力で、頭を強く打って倒れた母を見て、我慢の限界を超えた。父を殺すしか母を救う方法はないと思った」などと話した。
父親は長年にわたり大量飲酒の問題を抱え、会社員として一家の暮らしを支えている妻に難癖をつけ、度々暴力を振るっていたという。
■「子供は渡さない」と夫
警察の聞き取りに、次男の母親は「1997年に結婚した直後から夫の深酒が始まった」「酔うと私に暴力をふるい、その様子は息子たちの心を荒廃させ、父親への憎悪の感情が蓄積していったように思う」と話した。
離婚を申し出ても「息子は渡さない」と告げられ、子供たちを見捨てるわけにはいかないと、じっと暴力に耐え続けていたという。
■弟の今後を案じる兄
社会人の長男(20)も、そんな家庭の状況にずっと心を痛めていた。犯行後、震えている弟の体を寝室でじっと抱きしめ、落ち着いてから警察への自首を促したことがわかっている。
「弟は大学進学を目指して勉強していたのに、こんな事件が起きてしまうなんて」と近隣住民も警察に証言をしており、衝動的に事件を起こしてしまった次男を多くが擁護している模様だ。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)