皮膚に触れて起きる水アレルギー 「汗、涙、雨もだめ」と女性が悲痛な告白
発症の傾向としては男性より女性に多く、ほとんどが10代までに診断されている。
アレルギーにもさまざまな種類があるが、「水アレルギー」というものをご存じだろうか。ヒトの体は成人だと60%ほどが水でできているというのに、極めて稀に、皮膚が水が触れただけでアレルギーが生じてしまう人がいるのだ。
イギリスのある女性について『Mirror』『Metro』などが紹介し、大きな関心を集めている。
■汗と涙と雨を避ける暮らし
「私は水でアレルギーが起きてしまいます。汗、涙はもちろん、雨にあたることもできません」と語るのは、イギリス・ケント州メードストン在住のアビー・プランマーさん(19)。
雨の日はレインコートを深々とかぶり、大きな傘を持ち、暴風雨の日は外出そのものが不可能になる。自身の涙にもアレルギーを起こし、目がかゆくなった後に赤く腫れ上がるため、悲しいドラマに涙することは許されない。
■シャワー後に異変が…
アビーさんは2018年のある日、シャワー後に背中にびっしりと蕁麻疹が生じていることに気づいた。
シャンプーやコンディショナーを敏感肌用のものに切り替えたが、なおもトラブルが続いたため皮膚科を受診。その9ヶ月後、詳しい検査を経て水アレルギー性蕁麻疹と診断され、抗ヒスタミン薬が処方された。
「水泳は禁止。シャワーも10分以内に済ませるように」と指示されたが、幸い水を飲むのは問題なしとのこと。飲めない人は、牛乳を飲むなどして対応するそうだ。
■蕁麻疹には強い痛みも
水アレルギーでは、皮膚が水に触れると体内で有害物質のヒスタミンが過剰に分泌され、20~30分以内にほてりやかゆみ、強い痛みを伴う蕁麻疹が皮膚上に現れる。
つらい症状は大抵30分から1時間ほどでおさまるが、稀にはアナフィラキシーショックを起こし、命の危機に直面する人も。1度でもそれを経験したら、以降は緊急補助治療薬のエピペンを携帯することになるという。
■ひどい生理痛も
また、女性は月経の際に体液が分泌されるが、それにアレルギー反応を起こし、下腹部の激痛に苦しめられる人も。その場合は、人工的に生理を止めることで対応するという。
発症者は男性より女性に多く、ほとんどが10代までに診断される水アレルギー。世界で50~100件程度しか症例の報告がないが、実際の患者はもっと多いと考えられている。強い皮膚症状にくわえ、生活面での制約も多いことから、今後の研究に期待する人は多いようだ。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)