強い衝撃に耐える「スーパー人間」を制作 交通事故でも生き延びる姿とは…
車にはねられてもそのまま起き上がる “人間”が製作され、その奇妙な姿が話題を集めている。
たとえば交通事故において、人間の体はあまりに脆弱だ。そんな事故に耐えることのできる体とはどういう形態なのか、オーストラリアの専門家たちが集結し、「スーパー人間」を作り上げたことで話題を集めている。『Mirror』『The Sun』など数多くの海外メディアが報じた。
■彫刻のサイボーグを製作
車の製造技術の向上により、ハイスピードでの走行が可能となった一方で、人体はそんな車との衝突事故に対応できる進化を遂げているわけではない。
そんな中、「グラム」と名付けた『彫刻のサイボーグ』が話題を集めている。これは、オーストラリア・ビクトリア州で交通事故の啓もう活動や事故で負傷した人を支援する団体「Transport Accident Commission(以下TAC)」が、医師や芸術家たちと共同制作したものだ。
■衝撃の耐える人間の形
グラムは、何ら安全対策が施されていない車両が衝突した際、人間が生き延びるために必要な身体のパーツをすべて備えている。
衝撃吸収ゾーンのある大きな頭部で首はなく、目鼻は大きく陥没し、あばら骨1本ごとの間にエアバッグが付き、どんな方向にも曲げることができる手足を持つ。道路を走る車に対してであれば、どれだけのスピードが出ていても耐えることができるのだという。
デザインは、メルボルン病院の外傷外科医であるクリスティアン・ケンフィールド医師との共同で施された。またオーストラリア在住の芸術家パトリシア・ピッチニーニの手によって、グラスファイバー、シリコン、人毛を使用し、製作されたそうだ。