愛想よく口上手な男が高齢女性32人に近づき… 強盗と性的暴行目的で絞殺し逮捕
死刑はほぼ間違いないだろう男。幼い娘たちのことを思ってか、犯行を認めたあとは涙を流したという。
モスクワ州をはじめとするロシアの広い範囲で、今から10年ほど前、一人暮らしの高齢女性ばかりを狙った連続殺人事件が起きた。遺体が性的暴行を受けていたことも人々にショックを与えていたが、その犯人がついに逮捕された模様だ。
『Mail Online』『OPER NEWS/Daily Advent』など、海外のメディアが続々と報じている。
■遺体には性的暴行の跡
連続殺人事件の犠牲者の年齢は、75歳から91歳。高齢女性ばかりが、少なくとも32名が相次いで殺害された。司法解剖により、遺体はいずれも首を絞められており、性的暴行を受けていたことも判明。強盗ばかりか、性行為も目的とした殺人の可能性が高いと考えられていた。
そうした中、このたびロシア警察は一連の事件の容疑者として、タタールスタン共和国のカザンで配管工をしていたラディク・タジロフ(39)を逮捕した。
■犯人は愛想がよく口上手
タジロフ容疑者は2011〜2013年の2年間にわたり、家屋の修繕にあたる作業員やソーシャルワーカーを装って、一人暮らしの高齢女性宅を訪問。家に招き入れられると背後から首を絞めて殺害し、強姦後に金品を奪って逃げたことを認めている。
最初の犠牲者は91歳の超高齢女性。ロシア警察は「この男の愛想のよさと口のうまさは、高齢者の心を容易につかんだことが想像される」としている。
■ゲノム解析で犯人を特定
ロシア警察は、すべての遺体から採取した男の体液などのサンプルと、膨大な犯罪データベースを照らし合わせ、1万件にもおよぶゲノム解析を行った。
犯罪捜査と法科学の最新技術は、古い事件であっても犯人特定の確固たる証拠をもたらしてくれる。容疑者はどんどん絞られ、最終的にタジロフにたどりついたそうだ。
タジロフ容疑者は2010年に窃盗罪で服役を経験しており、その際のDNAデータが警察にあり、ある犯行現場で防犯カメラに姿を捉えられていた。
■妻子がいながら次々と犯行
犯行はタタールスタン共和国を中心に、バシコルトスタン、チュヴァシ、ウドムルト、マリ・エル、パーマ、サマラ、サラトフ、ニジニ・ノヴゴロド、チェリャビンスク、イワノボ、キーロフ、そしてモスクワなど、ロシアの複数の共和国や州にまたがって起きていた。
なお、タジロフ容疑者は2010年に出所すると女性と結ばれ、2人の娘の父親になっていた。凶悪な事件だけに死刑はほぼ間違いないとみられ、幼い娘たちのことを思ってか、犯行を認めた後は涙を流すこともあるという。
・合わせて読みたい→自殺の元警察官が残した仰天の遺書 少女暴行や連続殺人事件の犯人と判明
(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)