テーブルについた状態で2年以上… 孤独な高齢女性のミイラ化した遺体を発見
孤独死し2年以上経ってから発見された高齢女性。「結びつきの重要性」が呼びかけられている。
イタリアのある町で、独り暮らしをしていた高齢女性の姿が突然見えなくなった。誰もが「転居したのだろう」と考えていたなか、このほど、ひょんなことからミイラ化した遺体となって発見されたという。『 SKY NEWS』『NEW YORK POST』など、欧米のメディアが報じている。
■テーブルで孤独死
イタリア・ロンバルディア州のプレスティーノで、長年独り暮らしをしていたマリネッラ・ベレッタさんという70歳の女性が、このほどミイラ化した遺体となって発見された。現場は自宅のテーブルで、何らかの原因で急死したことが考えられるという。
ベレッタさんは人付き合いが希薄で、近隣住民は「最後に見かけたのは2019年9月」と証言するも、玄関ドアをノックするなど安否に関心を持つ者は誰一人いなかった。
■悪天候がきっかけで発見
女性の遺体が発見されたきっかけは、その地域を襲った悪天候。暴風による被害が予想されたため、住民らに避難を呼び掛けるとともに、各戸の安全性などを調べる活動が行われた。
ベレッタさん宅は暴風で裏庭の大きな木が倒れてくる危険性があり、警察官がそれを知らせるため家屋に足を踏み入れ、偶然ミイラ化した遺体を発見した。死後2年以上が経過しており、現場の状況から故殺の可能性はないという。
■若い家族の元へ行ったと…
発見が遅れた背景には、新型コロナウイルスの影響もあった。イタリアでは、パンデミック待ったなしという状況で若い家族と一緒に暮らし始めた高齢者は多く、ベレッタさんの近隣住民もそう思い込んでいたという。
「彼女も家族から声がかかり、独り暮らしをやめてそちらに引っ越したのだろうと考えてしまった」などと話しているが、実際身寄りはまったくいなかった。
■「地域住民は結びつきを大切に」
この件に関しては、イタリアのエレナ・ボネッティ家族および機会均等大臣も、SNSを通じて声明を発表している。
「近隣住民の皆さんも私も、この女性の孤独死には胸を痛めています。お互いに声を掛け合い、どうか地域の結びつきを大切にしてください」と呼び掛けている。なお、ベレッタさんの葬儀と埋葬やその費用は行政で負担するという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)