4月から中小企業も「パワハラ防止対策」義務化 何が変わるのか弁護士が解説
2022年4月から、中小企業でも「パワハラ防止対策」が義務化される。これによって、被害者はどう救済される? 弁護士が解説。
2022年4月から、中小企業にも「パワーハラスメント防止対策」が義務付けられます。本記事では、今とくに相談が増えている職場でのハラスメント問題についても、弁護士が解説しています。
■中小企業もパワハラ防止対策が義務化
2019年の通常国会において、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律」が成立。「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(以下、労総法)が改正されました。
これにより、職場におけるパワーハラスメント防止対策が事業主に義務づけられることになり、中小企業も2022年4月1日から義務化されます。
■被害者はどう救済される?
今後、パワハラの被害を受けた場合、どのように救済されるのでしょうか。齋藤健博弁護士によると…
齋藤弁護士:今般、規模が大きくない企業においても、労総法の改正により、事業主に義務付けられるパワハラ防止対策が改正されています。大きいのは、実際にパワハラ相談をしたことによって不利益を生じさせてはいけない、と明記されている点です。
もちろん、パワハラ問題は労働者や役員との間で生じる問題ですから、労働者に対して事業主が講じるパワハラ防止措置に協力するよう求められ、万が一生じた場合には再発防止に向けた措置を執ることが要求されています。
ここで重要なのは、事実関係を把握しなかった場合にも違反するということです。ということは、大企業ではなくても、パワハラが生じることがないように、また、生じた場合の事実の確認義務が生じることになりますので、事前・事後の救済間口が広がったと指摘できるのです。