まさに“ファスト”フード店 15秒で料理を提供する人気レストランの仕組みとは
商品を素早く提供し、おまけに味も絶品。そんな人気店は、従業員の教育にも熱心だ。
商品が素早く出てくるファストフード店といえば、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンを思い浮かべる人は多いだろう。しかしどんなに早くても、注文から受け取りまで2~3分はかかるものだ。
ところが所要時間わずか15秒という、まさに“ファスト”の店が存在することを、『Oddity Central』や『TIMESNOWNEWS.COM』などの海外メディアが報じている。
■世界最速を自負
このたび人々の話題をさらっているのは、メキシコのグアダラハラ市にあるメキシコ料理店『カルネ・ガリバルディ』だ。
「世界最速で料理を運ぶレストラン」として、なんとギネス世界記録まで保持している人気店で、客が料理を注文してからテーブルに到着するまでの所要時間は、平均わずか15秒だという。
■鍵は下準備
人気のレストランともなると、店員はとにかくあわただしく動き、客は声をかけるのも大変で、料理がなかなか運ばれてこないことも珍しくない。だが『カルネ・ガリバルディ』には、お客さんにそうした不満を感じさせないための工夫がある。
その鍵をにぎる1つ目は「下準備」。メキシコ料理の肉は、ホロホロと柔らかいのが特徴。じっくりと時間をかけて調理するため、開店時間よりかなり前から調理し、開店直後から商品をベストの状態で提供できるようにしておくそうだ。
■従業員をゲームで奮起
素早い商品提供の鍵をにぎる2つ目は、抜群の「チームワーク」。店長のダニエル・フローレスさんによると、開店当初、従業員の誰が一番早く料理を完成させ、提供できるか、ゲーム感覚で競い合うことを試みていたという。
それがきっかけで、従業員たちは発奮。1996年に13.5秒という驚きの記録でギネス世界記録に認定され、26年にわたりその記録を破るレストランは現れていない。こうして『カルネ・ガリバルディ』は、メキシコ国内に6店舗を構えるまでに人気店となった。
■常連客が絶えず
この店の常連客は誰もがメディアの取材に、「美味しい料理がすぐに運ばれてくるし、最高です」と顔をほころばせながら話している。
一方、『カルネ・ガリバルディ』でウェブ関連を担当するラウラ・マリアウドさんは、「店長、フロアスタッフ、調理師など、店のスタッフ全員が円滑なコミュニケーションを取れるよう、また効率的なサービスを提供できるよう、日頃からしっかりと訓練しているんです」と明かしている。
店は“ファスト”であるだけではなく、水面下でさまざまな努力をしているようだ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)