司法試験不合格の男が裁判官になりすまし逮捕 「世間に立派な印象与えたい」
真剣に勉強すれば再挑戦して合格したかもしれないが、男はそこまで努力家ではなかった。
法曹三者と呼ばれる弁護士、検察官、裁判官になるためには、司法試験に合格することが前提だ。不合格となりなおも目指すなら、さらに勉強して再挑戦するしかない。
そんな中、インドでは試験に落ちた30代の男による「裁判官なりすまし事件」が起きていた。『Times of India』『Times Now News』などが報じている。
■「俺は裁判官」と偉ぶる
なりすましによる詐欺、および公文書偽造罪で警察に逮捕されたのは、ニューデリー・ベイクタワープール地区のロブリーシュ・シャルマ容疑者(35)。
25日午後7時30分頃、車を運転中に検問にひっかかったシャルマ容疑者は、身分証明書の提示を求められると「俺は裁判官だ。何を失礼な」と言い返して、警察官と悶着になった。
■複数件の公文書偽造
デリー警察のシュウェタ・チャハン氏によれば、シャルマ容疑者は警察官に「最高司法治安判事だ」とあり得ない肩書を名乗っていた。
実際に、インド法曹協議会およびインド連邦捜査局CBIが発行する身分証明書、名刺、そして最高司法治安判事であることを示すメダルはすべて偽造されたものだった。さらに車に拳銃を隠し持っており、緊急逮捕となったという。
■「面目丸つぶれは嫌だ」
あまりに大それたその行為について、シャルマ容疑者は「何としても司法試験に受かったことにし、世間に立派な印象を与えたかった」などと説明した。
大学で法学の学士号を取得してから司法試験を受けたが、失敗。それがあまりにも悔しく、また地元の人に不合格を知られたら面目丸つぶれだと悩んだ末、位の高い裁判官になりすますことを考えたという。
■新卒の司法試験合格率は…
日本の司法試験の合格率は30~40%と超難関だが、インドにおいては毎年およそ70%が合格する。しかし個人でみると、受験するごとに合格率は下がっていくという。
シャルマ容疑者はみじめさと不安から再受験をあきらめていたが、そのうえで最高司法治安判事を名乗るあたり、そもそも世の中の正義や真実のために法曹界で働く人物ではなかったようだ。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)