『M−1』漫才の”脱正統化”が停滞した理由 錦鯉の勝利とオズワルドの敗北

錦鯉が王座に輝いた今年の『M-1グランプリ』を、正統派漫才論争の流れから考察する。

錦鯉・オズワルド

2021年の『M−1グランプリ』(テレビ朝日系)は、錦鯉の優勝に終わった。 また惜しくも優勝を逃したオズワルド。その敗北の原因は何だったのか…。両者接戦であった今大会について、ここ数年の傾向とともに考察したい。


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■勝者が逆転した今大会


錦鯉が優勝を手にした反面、本命視されていたオズワルドの存在が気になる人も少なくないだろう。1本目のネタで審査員らから非常に高い評価を受けたオズワルド。そのまま優勝となるかと思われたものの、逆転する形に。

今回も、松本人志ら審査員が、最も悩んだとしながらの投票だった。どのような決戦だったのだろうか。

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■オズワルドへの称賛

昨年のオズワルドの漫才に対する審査員コメントが、松本とオール巨人とで分かれた。松本は、オズワルドの『M−1』に合わせた激しさも伴う漫才に対し、オズワルドらしい静かさを求める。

一方で巨人は、序盤から勢いのある漫才を求めた。この難局に対し、オズワルドは見事に期待に応えてみせ、松本と巨人から絶賛されたのだ。

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■“脱正統派”の機運