昭和世代の常套句、どこか違和感が… ラノベ作家ならではの「ド正論」が話題に
耳にする機会も多い「苦労は買ってでもしろ」という格言。こちらの曲解に対するツッコミが話題となっているのだ。
■「ラノベ作家」ならではの視点に納得
「若いときの苦労は買ってでもしろ」というのは『若さで許されるうちにたくさんの経験を得よう』という話であって、老人が若者を使い潰すための前置きではない('ω')
— 右薙 光介 (@Unagi_Kousuke) December 5, 2021
いわゆる「追放もの」と呼ばれる作品を手掛けている右薙氏は、ツイート投稿の切っ掛けについて「創作のネタを考えていた時にですね、キャラクターの台詞として浮かんだものなんです」と、振り返ってくれた。
「追放もの」とは主人公がパーティや所属する団体から追放宣言を出されてクビになる、というのが最序盤のお約束で、総じて主人公が理不尽に扱われることが多いのも特徴。
右薙氏の作品は「理不尽や不運、あるいはそれらが行なわれる社会環境から奮起し立ち上がる」ことをテーマとして描くことが多く、その中でまず「共感できる理不尽とは何か」ということを考えるのが重要になってくる。
そんな折、右薙氏は「若い時の苦労は買ってでもしろ」という言葉に疑問を感じたそうで、「これは若者に将来を説くときに使う言葉なんですけど、本当にそうかなって」「若者にとってその苦労、本当に必要? 押し付けじゃない? 若者がやりたいことを我慢してまですること? という思いが強くなってしまいまして…」と、自身の思いを語る。
■価値観は時代と共に変わる
日本では「苦労=美徳」とされる傾向があるのは否めないが、そもそも必要のない手順(苦労)をわざわざ踏襲するのは、時間の無駄に他ならない。
右薙氏も「若い時の苦労は買ってでもしろ」というフレーズに対し、「この言葉を使う人の多くが人生の先達ではありますが、テクノロジーや社会は凄い速度で進化しており、こちらの方々の指す苦労が、現代とマッチしていないことも多々あります」と、冷静な分析を見せてくれた。
上の世代は若者に「機会」を与えるべきだが、これは決して「苦労」と同義語でないことを肝に銘じておきたい。
・合わせて読みたい→美味しそうなドライカレーに混入していたのは… 隠し味が「怖すぎる」と話題に
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)