1世紀の時を経て図書館に返却された本 延滞料金は当時の年収以上に
100年の旅から帰ってきた本は、日本でアニメ化されたこともある人気の児童小説だった。
アメリカ・アイダホ州にある公立図書館にて、110年以上貸し出されていた本が返却されたというニュースを、『Huffpost』『NBC news』などの海外メディアが報じている。1世紀分の延滞料金は、はたしていくらになっていたのだろうか。
■最後の貸し出しは1911年
アイダホ州の州都であるボイシの公立図書館では最近になって、1世紀以上貸し出されていた1冊の本が返却されたことが、大きな話題を呼んでいる。
この本はケート・ダグラス・ウィギン作の『レベッカの新クロニクル』で、1911年11月に最後に貸し出されて以来、110年間の旅から図書館に帰ってきたことになる。
■保存状態は良好
図書館のスタッフによると本の状態は「極めて良好」で、110年以上前に貼られた図書館のものであることを表すシールが、そのまま背表紙に残っていたという。
貸し出しの日付が書かれたカードも判読可能な状態で残されており、おそらく本好きな人物によって大切に保管されていたのだろう。
なぜ今まで返却されなかったのかはわからないが、110年前に本を借りたその人物が今も存命である可能性は低く、何かの事情で蔵書の中に埋もれ続けていたのかもしれない。
■延滞料は当時の年収以上?
本の内側には延滞料金に関する説明も印刷されており、期限を超えた場合に課される料金は1日2セント(約2円)。110年間で計算すると、積もり積もって800ドル(約9万円)にもなる。
110年間延滞して9万円ではむしろ安いのではないかという気もするが、貸し出した当時のこの本の価格は1.50ドル。1910年頃のアメリカ人の平均年収は500ドルほどだったというから、むしろ罰金としては重かったほうなのかもしれない。
なお市の図書館では、2019年に本の延滞料金のシステム自体を廃止している。
■日本ではアニメ化も
この本は当時人気を博した小説『少女レベッカ』の続編にあたり、同作は子役時代のシャーリー・テンプル主演で舞台にもなっているほか、日本の若手アニメーター育成プロジェクト『アニメたまご』によって『レベッカ』というタイトルで2020年に短編アニメ化も。
1世紀以上の旅から帰ってきた『レベッカの新クロニクル』は、今後は閲覧することはできても借りることはできない本として、図書館の歴史室に置かれることになるそうだ。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)