ローカル線を『鬼滅』声優がご案内 企画者は「とても地域愛にあふれる方」
社内アナウンスの録音は約2時間と短く、ほぼ1発撮りで終わったという。担当者は「プロの技術の高さに驚いた」と話す。
2021/12/02 15:30
富山県高岡市と射水市を結ぶ万葉線は、高岡軌道線と新湊港線の2路線で構成。軌道線と鉄道線の両方を走る全国的にも珍しい方式のため、全線にわたって路面電車タイプの小振りな電車が使用されている。その車内アナウンスが、SNS上で話題を呼んでいる。
■地元出身声優が担当
車内放送を担当しているのが、地元富山県出身の上田麗奈。アニメ『鬼滅の刃』に登場する女性人気キャラクター栗花落カナヲ(つゆり かなを)役や機動戦士ガンダム『閃光のハサウェイ』ギギ・アンダルシア役などを担当している人気声優だ。
車内アナウンスでは、高岡駅発車時に自己紹介とともに「万葉線・越ノ潟行き、まもなく発車いたします」と案内。
高岡市の片原町駅では「毎年5月に御車山(みくるまやま)祭というお祭りがこの交差点を中心に行われているんですよ」などと路線全体のナレーションを行っている。
■地域おこし協力隊が企画
この企画を考案したのが、射水市地域おこし協力隊の坪井彰さんで、この地に昨年の10月にやってきた。市内の公共交通のPRなどを担当しているが、その一環として有名人の起用を思いついたという。
何人かの候補者をリサーチするために、ファンのオフ会などに複数回参加。新潟に行った際に参加したオフ会では、上田麗奈の熱狂的ファンから「地元愛が強い」という情報を入手し、グッズもプレゼントされたという。その後写真集を購入したところ、全体の6割以上が富山県内で撮影されていることを発見。
その中には、万葉線沿線の有名スポットもいくつか含まれていたため、「上田さんしかいない」とアプローチすることに決定したという。