旅客機内で女性が飼い猫に授乳を始め… 精神的支援動物の是非が問われる事態に
「小さいわが子を失ったのかも」との憶測もあるが、そもそも公共の場での授乳は配慮が必要なのでは…。
北米大陸の上空を飛行中だったある旅客機の機内で、女性が飼い猫に仰天行動をとり、パイロットや地上職員をも巻き込む騒動に発展していたことが分かった。イギリスの『The Sun』や『DAILY STAR』が報じている。
■飼い猫を大切に抱く女性
ニューヨーク州のシラキュース・ハンコック国際空港を離陸し、目的地のハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港に向け、順調に飛行していたデルタ航空の1360便。だが離陸後間もなく、ある女性がペット用のキャリーバッグから1匹の飼い猫を取り出し、膝の上に乗せた。
誰もが初めは、彼女の精神心理面をサポートする「エモーショナル・サポート・アニマル(ESA)」なのだろうと考え、温かく見守っていたという。
■突如始まった猫への授乳
しかし、女性は猫に授乳を始めた。周りの乗客たちは驚いたり気分を害するなどし、知らされた客室乗務員たちはあわてた様子で女性に注意をした。
だが女性は聞く耳をもたず、騒動はコックピットに伝えられるところまで発展。
コックピットのクルーは目的地の地上職員に連絡をとり、「13Aに座っている女性が猫に授乳をしていた。乗務員が注意をするも止めないため、エモーショナル・サポート・アニマルなのか着陸後に確認をお願いします」とメッセージを送ったという。
■ESAの背景は人それぞれ
通常のペットは、キャリーバッグのまま預けて荷物としてカーゴに送られるが、精神的支援動物であるESAが広く認められているアメリカでは、客室内での同席も認められている。
これまでも、ミニチュアポニー、ミニブタ、アヒルやサル、さらにはカンガルーまでもが搭乗して話題になった。
ESAを同伴させている人たちの理由は、「精神的に虐待され、結婚にも失敗し、人生の困難な時期にこの子と出会った」「夫が他界したさみしさを埋めてくれる。夜も一緒に寝ている」など、人それぞれだそうだ。
■各国で理解に違いあり
PTSD、不安神経症、うつ病などの問題を抱える人たちにとって、大切な癒やしであるESA。飛行機、バス、電車やレストランなど公共の場でもともに過ごすことが許されている。
しかし犬や猫のみならず、クジャク、ヘビ、七面鳥やモモンガなどもいる。常識を超えているとして、アメリカ国内でもさすがに規制を求める声があがっているようだ。
日本では老人ホームなどを訪れる「アニマル・セラピー」が一般的だが、現状ではそれが精一杯であり、イギリスではESAというシステム自体、まだ認可されていない。
またカナダでは、戦争などでPTSD(心的外傷後ストレス障害)を負った退役軍人にのみESAの同伴が認められているという。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)