「私に預ければ安心」と資産2億円を搾取 ニセ弁護士に20年の実刑判決
人々の資産をだまし取り、贅沢品を買いあさった女の被告は突然ジャガーに乗るように…。
「財産管理の方法も複雑化しているこの時代、まずは私に預けておくと安心ですよ」 弁護士のフリをし、そんな言葉で高齢者や障害者に近づいては資産を搾取していた米国ルイジアナ州の女が断罪された。
『NEW YORK POST』『The Times-Picayune/NOLA』などが伝えている。
■法律事務所勤務で知識を得る
詐欺、財産の搾取、マネーロンダリングや銀行口座の不正取引などが多々繰り返されたとして、2019年12月に逮捕・起訴されていた、ルイジアナ州ジェファーソン教区のクリスティーナ・ガルジュアという45歳の女。
ガルジュア被告は勤務していた法律事務所でさまざまな知識を身につけ、2016年から弁護士を装うようになり、一般市民5名から預かった資産を私的に流用。高級車、高級ブランド品に囲まれ、贅沢な旅行を楽しむなどしていた。
■自閉症の男性に接近
ガルジュア被告に財産を預けていた被害者のひとりが、特別な支援を必要とする59歳の自閉症の男性。両親が2015年に死亡し、ニューオーリンズの大邸宅を含む数百万ドルの資産を、信託基金として遺産相続していた。
ジェファーソン教区保安官事務所によると、被告は当時その付近の不動産土地開発計画に関わっていた「レガシー法律センター」に勤務するなか、さまざまな情報や知識を得るように。
そこで弁護士を装い男性に接近し、信託基金のうち200万ドル(日本円にして2億2,800万円)を「預かる」ことに成功していたという。
■懲役20年の実刑判決
男性の資産から130万ドル(約1億4,800万円)を私的流用していたガルジュア被告は、男性が運転しないにもかかわらずジャガーを購入し、自分が乗り回していた。
ガルジュア被告の巧妙かつ卑劣な詐欺行為は、財産管理について弁護士に相談する多くの顧客に不安を与えるものだとして、このたびの裁判で被告は懲役20年の実刑判決とともに、全被害者にだまし取った金銭を返すよう命じられた。
■「ショック受けている」と男性
代理人に付き添われながら地方裁判所の法廷から出てきた男性は、メディアの取材に「ショックを受けていますが、問題が解決してよかったです。だまされたのが自分1人でないとわかり、少しだけ気が済みました」などと述べた模様だ。
「近隣住民はあなたを町から追い出し、精神科病院に入れようとしている。その場合、邸宅は弁護士の私に預けておくのが一番だ」と被告に説得され、信頼してしまったという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)