孫にメールを送ったはずが… 人違いで始まった64歳と22歳の友情は6年目に
おばあちゃんと孫のようなふたりの友情。実の孫の電話番号が変わったのも、何かの運命だったのかも…?
『サンクス・ギビング』とも呼ばれる感謝祭が、今月25日に迫っているアメリカ。その感謝祭をきっかけに、年の差を超えて育まれた心温まる友情の話題を『People』や『Yahoo!』などが報じ、人々を笑顔にしている。
■孫へのメールが…
家族や大切な人との集いを重んじる欧米において、感謝祭は特に大切にされている伝統的行事の一つ。日ごろの食の恵みに、深く感謝する1日となる。
アメリカのアリゾナ州に住むワンダ・デンチさん(64)は2016年、当時24歳だった孫の携帯電話宛てに「今年も感謝祭のパーティに来るわよね?」とメールを送信した。
しかし孫は、携帯電話の機種変更をしたばかりで番号が変わっており、そのメールは番号を継いだ当時17歳のジャマル・ヒントンさんという少年に送信されていた。
■自撮り写真で人違いが判明
メールを読んだジャマルさんはわけが分からず、「どういう意味ですか?」と返信。その後のふたりの会話も辻褄が合わず、自撮りの写真を交換することに。そこでようやく人違いだと判明したという。
しかし、それをきっかけに、ふたりの間には年の差を超えた友情が芽生えた。ジャマルさんは「せっかくのご縁なので、感謝祭にお邪魔してもよろしいですか?」とワンダさんに尋ねた。
それを読んだワンダさんは大喜び。「もちろんよ! みんなに美味しい料理を振る舞うのが、おばあちゃんの役目なの」と返し、その後は毎年、ジャマルさんを感謝祭のパーティに招くようになった。
■夫が新型コロナで天国へ
ジャマルさんは「ワンダはとても優しい人。この世の中に、善良な人はまだたくさんいることを教えてくれました。希望をもたらしてくれたのです」と話す。パーティにはミカエラさんという恋人を連れて出席したところ、とても歓迎されたという。
しかし去年4月、ワンダさんの夫のロニーさんが新型コロナウイルスに感染し、この世を去ってしまった。
ジャマルさんは自身のInstagramに「ワンダから悲しい知らせとともに、『ロニーを笑顔にしてくれてありがとう』とメールが来た。ロニー、そしてコロナでこの世を去った多くの人たちのご冥福をお祈りいたします。僕の人生に存在してくれてありがとう、ロニー」と追悼している。
■本当の祖母と孫のよう
ワンダさんの父親は海軍にいたため、幼い頃から転勤や転校の繰り返し。同僚の家族との交流も盛んだったため、ワンダさんは自然に誰とでもすぐに打ち解ける性格になった。
「ジャマルに初めて会った時、本当の孫のように感じられて自分でもびっくりしました。家族というのは血のつながった親族だけではないんですね」とワンダさん。その温かい関係は、今年で6年目に突入する。
最初は「年齢が離れた友達」だったふたりだが、今ではお互いを本当の祖母と孫のように感じることが多いそうだ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)