自ら電車に飛び込み両脚切断の重傷男 多額の保険金を得ようとして有罪判決
多額の保険金が欲しいとはいえ、そこまでする必要は果たしてあったのだろうか?
2014年に電車にひかれて両脚を失い、義肢になっていた男。しかし意図的な行為だったとわかり、訴えられていた。このたび男に有罪判決が下ったことを、イギリスの『The Sun』や『EMINETRA』が報じている。
■事故後に驚きの事実が
ハンガリーの北東部に位置するニルクサザリという村で2014年、体のバランスを崩して駅のホームから転落した男が、電車にひかれた。
男は、現在54歳のサンドール・CS。両脚を失い、車いすと義肢生活を余儀なくされたが、「悲劇的事故」と呼ばれていた状況は一転した。事故が起きる前に、サンドールが14個もの保険に加入していたことが発覚したのだ。
■保険加入の理由は…
これを怪しんだ保険会社と警察は、7年間にわたりサンドールや事故について調査。ところがサンドールは「ファイナンシャルプランナーに、普通貯金よりも生命保険の方がリターンが大きいとのアドバイスを受けたから、加入しただけだ」と主張したという。
事故後、サンドールの妻が保険会社に保険金を請求したものの、いよいよ警察の捜査が始まるとして会社は支払いを保留にした。この事故によりサンドールが受け取る予定だった保険金は、なんと230万ポンド(日本円で約3億5,000万円)にものぼるという。
■車掌の証言
詐欺の要素が強く疑われるとして、ついに訴えられたサンドール。「ホームに落ちていたガラス片を踏み、バランスを崩した」「事故による重傷でボイラー関係の仕事を辞めざるを得なくなり、保険金も支払われないため生活は破綻した」と、一貫して無実を訴えた。
しかし法廷では当時の車掌が証言台に立ち、「彼は意図的に電車の前に倒れてきたように見えた」と述べた。
■無実を主張も有罪判決
このたび、ハンガリーの裁判所は「230万ポンドの多額の保険金を受け取るために、故意に電車の下敷きになり両脚を切断した」として、有罪判決を下した。
サンドール被告には2年間の執行猶予が付いた懲役刑、そして4,725ポンド(約72万円)の訴訟費用の支払いが命じられたという。
メディアの取材に「この起訴や裁判は間違っている。私は最後まで戦い続けます」と話した被告は、複数の保険会社に対する保険金請求を、断念していないとのことだ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)