インド伝統「牛糞祭り」が新型コロナ撃退掲げ開催 衛生面には疑問も
「スペインのトマトを投げ合う祭りのよう」という人もいるが、牛糞は衛生上で問題はないのだろうか。
インドには、ある物を投げ合いながら無病息災を願う伝統行事がある。100年以上にもわたり行われているその奇祭を、イギリスの『Daily Star』が報じている。
■歴史ある伝統行事
インド南部のグマタプラという村で6日、「ゴーレ・ハッバ(Gorehabba)」という祭りが開催された。
この祭りは、ヒンドゥー教で最も重要な祭りである「ディワーリー(Diwali)」の締めくくりとして行われ、いわば後夜祭のようなもの。100年以上も前から受け継がれ、グマタプラ村の大切な伝統行事だという。
■まるで泥遊び
ゴーレ・ハッバの当日、参加者はまず各家庭を回って牛糞を集める。そして、ヒンドゥー教の寺院で祝福を受けてからそれを広場へ運び、少年から大人の男たちが泥遊びのごとくお互いに投げ合い、頭からつま先まで牛糞まみれになるという。
牛を神と崇めるインドでは、昔から牛の糞や尿で病気やケガが治ると信じられている。牛から生まれ出る物は何でも神聖で、浄化されていると考えられ、この祭りのためにインド中から参加者が集まるそうだ。
■「コロナだって撃退する」
祭りに参加した元農民のマヘシュさんという男性は、メディアの取材に「ケガや病気のある人は、すっかり治ってしまいますよ」と話す。
新型コロナウイルス感染症を恐れる近年では、これまで以上に人々の祭りへの関心が高まっており、「牛の糞や尿でコロナも撃退しよう」と拝められてきた。
そのため、コロナ禍にもかかわらず人々はマスクもせず、至近距離で牛糞を投げ合ったという。
■世界は祭りに否定的
だが、この祭りでは毎年100人近くの負傷者が出ている。特に高齢者は牛糞に足を取られて転倒したり、当たった個所を負傷したりする。
大腸菌の心配もあり、安全性や衛生面を危惧する人が多い祭りだが、村の議員たちは「牛の尿で歯磨き粉やシャンプー、虫よけスプレーを開発し、生産するように」と村人に推奨しているというから驚きだ。
世界からはどうしても否定的な意見が多く、「今度はインドから新種のウイルスが出現するのでは?」といった声まであるようだ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)