米国で複数の小児に成人用コロナワクチンを誤接種 承認前の見切り発進で…
誤接種を防ぐため、ファイザー製小児用ワクチンのバイアル瓶は、キャップの色がオレンジになる。
米国疾病予防管理センター(以下CDC)が今月2日、同国の5~11歳の子供たちへのファイザー製ワクチンの接種を正式に承認した。そんな中、危険な誤接種がテキサス州のある町で発生していたようだ。
地元メディアの『KXAN News』『WVYM13 News』『KTVT-TV』などが伝え、全米に拡散している。
■危険な見切り発進
問題が発覚したのは、テキサス州ガーランド市の保健当局があるバプテスト教会の敷地に臨時に開設し、新型コロナウイルスワクチンの接種を専門とするクリニック。そこで10月31日、成人用のワクチンを幼い子供たちに接種していたことが明らかになった。
これは、CDCが「5~11歳についてファイザー製ワクチンの接種を承認する」と発表した2日前のことで、危険な見切り発信だったことにも非難の声があがっている。
■看護師が接種を奨励
メディアの取材に、保護者たちは「クリニックには看護師が2人いて、6歳なら接種をと勧められた」「私の7歳の息子、それに隣家の息子も受けた」「4歳と6歳の子を連れて行ったら、『6歳なら適格』と言われた。1日は副反応に苦しんだ」などと回答。
かかりつけの小児科医に相談し、健康状態を確認してもらいながら、今後も日常の様子をチェックしていくことになるという。
■瓶のキャップに違いあり
わかっているだけでも、7歳、6歳の複数の子供たちが成人用の分量で接種を受けてしまった今回の件。接種は誤りだったと市の保健局から連絡を受けた保護者たちは、一様に「ショックを受けた」と話している。
5~11歳を対象としたファイザー製の小児用ワクチンは、誤接種を防ぐためにバイアル瓶のキャップが紫色ではなくオレンジ色になり、より小さな注射器を準備。
そのことを接種の後にニュースで知ったというある保護者は、看護師があまりにも認識不足だといら立ちをあらわにしている。
■州保健当局にも報告
ガーランド市保健局の広報担当者はすべての事実を認めており、「お子さんの体調の変化について、保護者の方たちと連絡を取り合っています。幸いにも現時点で気になる報告は入っていません」と述べている。
また、テキサス州保健局にも問題のある事例として報告がなされ、なぜこのような誤接種が行われてしまったのか、現在もさまざまな調査が行われているという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)