10歳女児が新型コロナ発症後5日で死亡 「保健係」として無症状児童から感染か
新型コロナウイルスに感染しても、子供はほとんどが無症状…といった認識を、この少女の症例は完全に覆した。
まったく健康に問題がなかったアメリカ・バージニア州の小学生が新型コロナウイルスに感染し、発症後わずか数日で命を落としてしまった。悲しいニュースを『abc/KEZI』『abc/8News』『13News Now』などの海外メディアが伝えている。
■あまりにも突然の悲劇
死亡が伝えられたのは、バージニア州サフォークに暮らしていたテレサ・スパーリーちゃん(10)。通っていた小学校で、気づかないうちに新型コロナウイルスに感染していた可能性が高いという。
あまりにも突然の悲劇に遺族は打ちひしがれており、通っていたヒルポイント小学校、近隣の住民など多くの人々が哀悼の意を捧げている。
■発症からわずか5日後に…
テレサちゃんは9月22日にひどい頭痛を訴え、発熱もあったため、24日に小児科医を受診。26日の夜にせきが始まり、吐き気もひどいため地元の救命指定病院へ。新型コロナウイルスとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎が疑われ、検査を受けたという。
胸部X線検査は問題ないと診断され、溶連菌も陰性だった。だが翌日の27日にテレサさんは呼吸困難に陥り、ノーフォークの小児病院に搬送されるも死亡。22日の発病から、わずか5日目のことだった。
■「ウイルスはデマではない」と母親
愛娘のテレサちゃんを亡くした母親のニコール・スパーリーさんは、メディアの取材に「葬儀の準備中に、新型コロナの陽性が判明しました。どうか皆さんは常にマスクを着用し、ワクチン接種を受けてください。このウイルスはデマでも偽物でもありません。誰の命を奪うかもわからないのです」などと話している。
基礎疾患がなければ子供はまず重症化しない、という認識を覆したテレサちゃんの症例。ワクチン反対派の家庭にも、少なからず動揺を与えたことだろう。
■遅れている小学生の接種
父親のジェフさん、ニコールさん、そして長男はすでにワクチン接種を済ませていたが、テレサちゃんと9歳の弟は、まだ接種の案内が来ていなかった。
テレサちゃんは学級の保健係として、体調の悪い児童のお世話をしていた。無症状の児童からうつされた可能性が高いことに、波紋が広がっている。
新型コロナウイルスのパンデミック以来、バージニア州では小児~若年層の計13人が死亡。うち6人は11歳以下で、7人は12歳から19歳だという。
・合わせて読みたい→15歳少女が新型コロナ感染し重症化 ワクチン接種予定日に死亡
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)