石と異素材による華麗な融合 海外でも個展開催の石材店社長
作品は、日本とフランスのギャラリーを通してのみ販売されており、ひとつの作品に数十万円以上の値がついている。
2021/10/04 15:45
地球上でもっとも多く存在するという岩石の代表である御影石(みかげいし)は、地下深部のマグマが地殻内で冷却固結した結晶質の石材。強い硬度と美しさ、ほかの石材にはない耐久性を持っていることから建物の外部などを中心に多く用いられている。そんな御影石などを使った「食べられそうな作品」が、インターネット上で話題に。
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■東京藝術大学出身
1879年創業の伊藤石材店(長野県松本市)の5代目社長伊藤博敏さんは、東京藝術大学で工芸を学んだ。大学時代から石材店を継ぐことを意識して学び、卒業作品は「石と金属の融合」。
石材店では一般的な墓石などを制作しているが、工場の一角では個人的な自己表現としての作品も作り続けている。
■本物のコーヒ豆使用
大学で学んだ工芸の技術を活かし、「石とさまざまな異素材との融合」が作品づくりのテーマ。「コーヒーブレイク」という作品では、石にファスナーがついており、中には腐らないように加工した本物のコーヒー豆が入っている。
また、「食べられないケーキ」には、大谷石、御影石、大理石の3種類を使用。すでに国内はもとより、デンマークやフランス、アメリカ、オーストラリアなどで個展を開催している。