体重50キロ超の猛犬に立ち向かい… 娘2人を勇敢に守り抜いた母親が死亡
子供たちを守るため自ら犠牲になった母親。深い傷を負った子供たちの心のケアも必要だ。
このたびある母親が、2人の娘を守るために獰猛な犬と闘い、自らが犠牲になって命を落とした。悲劇のニュースをイギリスの『The Daily Star』やフランスの『Opera News』などが報じている。
■子供たちは外に避難
死亡したのは、アメリカのオレゴン州・クーズ郡にあるマートルポイント市に住んでいたアンバー・ラベルさん(42)。9月24日の午前中、自宅にいたアメリカン・ブルドッグとピットブルのミックス犬1頭に襲われたという。
2人の娘を守ろうと、アンバーさんは襲われている最中も、子供たちに向かって「早く外に逃げて!」と必死に叫んでいたことがわかっている。
■知人から預かった犬
警察によると、アンバーさん宅にはジェレミー・ロバートソンさんという男性も住んでおり、ふたりは知人のサラ・ニコルズさんの依頼でその犬を預かっていた。犬は体重が54kg以上もあり、以前から攻撃性が強かったそうだ。
事件はジェレミーさんが仕事で外出している間に起きた。犬は寝室に閉じ込められていたが、アンバーさんが少しだけその部屋のドアを開けたところ、ものすごい勢いで飛び出し彼女に襲いかかったという。
■緊迫した住宅街
同じ住宅街に暮らすエイプリル・ショーさんによると、突然あがったアンバーさんの助けを求める叫び声は、その街一帯に響き渡ったそうだ。その後、アンバーさんの娘の1人が「誰か救急車を!」と叫び、エイプリルさんが911に通報。緊急通報指令室が救急車を出動させた。
近隣住民が犬をアンバーさんから引き離して抑え込むも、彼女はぐったりとして、すでに意識がなかったという。
■子供たちを守り抜いた母親
アンバーさんは航空救急隊のドクターヘリで大至急病院へ搬送されたが、翌日の午前4時頃に息を引き取った。
この事故を受け、アンバーさんの元パートナーで2人の娘の父親であるジョセフ・デックマンさんは、「ただ一つ、皆さんに知っておいてほしいことは、アンバーは命を落とす前に子供たちの命を守り抜いたということです。永遠に感謝しています」と涙ながらにメディアに語っている。
なお、アンバーさんを襲った犬は警察官により射殺された。事故の経緯については現在も調査中だという。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)