飛び降り自殺が増加傾向の米国 若い男性が12階下にいた男性を巻き添えに死亡
映画やドラマを見ていると、アメリカ人は自殺の手段に拳銃を選びがちといった印象があるが…。
このほどアメリカ・ニューヨーク州で、1人の男性がビルの屋上から投身自殺を図った。高いところから飛び降りてあの世へ逝こうとする人は、天を仰ぐことはあっても、下に人がいないかを確かめるほど正常な精神状態にはない。何の罪もない男性が巻き添えになったことを『NBC News』『abc News』などが報じた。
■「事件性はない」と警察
ニューヨーク市のすぐ北に位置するニューヨーク州のヨンカーズ。ここのローカストヒル通りに立つ共同住宅「Cromwell Towers By」で、20日午後6時前、25歳の男性が飛び降り自殺を図り死亡した。
現場の状況や遺品などから、ヨンカーズ警察は「事件性はなく、自殺と考えられる」と発表している。
■赤の他人を巻き添えに
屋上から飛び降り、12階分下にある駐車場に落ちた男性の体は、そこにいた61歳の男性を直撃。巻き添えとなったこの男性も、現場で死亡が確認されている。
男性2名の身元については一切明らかにされていないが、警察は「それぞれの遺族から話を聞く限り、両者は顔見知りではない」としている。
■被疑者死亡につき不起訴に
なお、飛び降り自殺で何の罪もない赤の他人を巻き添えにした場合、刑事責任としては重過失致死罪に当たるが、このケースのように本人も亡くなっていると、最終的には「被疑者死亡につき不起訴」となる。
だが、それで被害者遺族は納得しない。自殺者の遺族に対して高額の償いを求め、裁判に発展するケースも少なくないのが現状だ。
■拳銃自殺は避けられがち
映画やドラマを見ていると、アメリカ人は自殺の手段に拳銃を選びがちといった印象があるが、この国で最も多いのは首つり自殺、2位が拳銃自殺で、3位の飛び降り自殺も増加傾向を示しているそうだ。
拳銃と飛び降りによる遺体はむごたらしく、自宅で拳銃自殺を遂げると部屋は血まみれとなり、自宅はいきなり事故物件と化す。このたびのビルも、駐車場に残る2人分の血痕が不動産価値を暴落させる可能性がある。
こうしたことから、自宅から離れた場所で首をつるケースが多いようだが、どのような方法であっても自殺は家族に想像以上のショックとトラウマをもたらしてしまう。どうか思いとどまってほしいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)