コロナ禍で対面診察を拒否され続けた女性 誤診の果てに腎臓がんで死亡
体調不良を訴えた女性が、対面診察を受けられないまま亡くなってしまった。
コロナ禍に体調の異変を感じ、対面での受診を希望したものの拒否されたことでがんの発見が遅れ、死亡した女性がいる。『The Sun』などnの海外メディアが報じている。
■オンライン診察で誤診
イギリス・ハートフォードファイアー州に暮らしていたジェシカ・ブレイディさん(27)は、昨年夏ごろより下腹部の痛みを訴えていたが、地元の開業医に対面での診察は拒否され続けてきたという。
血液検査では高いD-ダイマー値が検出されており、がんも想定できたはずが、オンライン診察では腎臓の感染症と診断され、抗生物質を処方されていた。
■遅すぎた診断
医師たちが、ジェシカさんの不調の原因はがんだと気づいたのは5ヶ月後のことで、がんはすでに治療不可能なまでに肺、骨、背骨、肝臓と全身に散らばってしまっていた。
ジェシカさんは判明するなり入院することになったが、その3週間半後の12月20日に死亡した。
ジェシカさんの母アンドレさんは、保健・ソーシャルケア委員会で「私たちも娘も、誰も真に受けてくれていないと感じていました。対面診察とともに、きちんと診療記録を残してくれる人が必要だったと思います」「全体を見て、パズルのピースを組み合わせてくれる人が一人もいなかったのです」と語っている。
■新型コロナと対面診察の葛藤
保健省のサジド・ジャヴィド大臣は、「コロナ禍の中で医師たちが対面診療をすることの難しさは、皆さんが理解されていると思います」としながらも、「しかしその段階は終わったと思います。今後できることをもっとしていけるようにしたいと思います」と語った。
アンドレアさんは、若年層のがん診断における意識向上のため、嘆願書の作成を開始したという。
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(文/しらべぇ編集部・原田パラン)