父親が同性愛者だと知った息子 「家族にとって大恥」と激怒し刺殺事件に発展
同性愛が合法と変わったインド。それを理由に父親を殺害した息子に、情状酌量の余地はない。
インドで起きる家庭(親族)内の殺人事件といえば、親や親族の勧める縁談に従おうとしない若い男女の駆け落ち婚、婚前交渉や、結婚後の不貞行為、舅姑と嫁の仲の悪さなどが原因となって起きることがほとんどだ。
そんな中、ある殺人事件の話題を『india.com』『Times Now News』などが報じ、極めて稀なケースだと話題になっている。
■男性と浮気していた父親
8月18日、インドのウッタル・プラデーシュ州ムザッファルナガル県クハタウリ地区にあるサトウキビ畑で、中年男性の遺体が発見された。
男性の身元はレシュパル・クマールさんと判明。県内の男性と極秘で肉体関係を持っていたことが、最近ひょんなことから地域の人々や親族に知られ、言い争うなどしていた3人の男性が重要参考人として警察の事情聴取を受けていた。
■警察が最後に疑ったのは息子
だが、3人はアリバイを証明するなどして無実を晴らし、警察はこのほど、レシュパルさんの実の息子であるスミット・クマールへの取り調べを行った。
そこでスミットは、同性愛はあってはならないタブーだと主張。「父がそういう性的嗜好だったことを知り、強いショックと怒りがこみ上げてきた」と話し、自分が父親をナイフで刺し殺したことを自供した。
■資産を浮気相手に譲る…?
「深く傷ついた母親や、大恥をかいた親族の気持ちを考えると、たとえ父親でも許せなかった」などと話し、容疑をすべて認めたスミット容疑者。
また、父親は自分の資産を母親にではなく、恋仲になった相手の男性に譲りたいと考えていることを知ったといい、「その身勝手さにも激しい怒りが湧いた」としている。
■インドの最高裁が同性愛を容認
しかし、今からちょうど3年前の2018年9月、インドの最高裁判所は同性愛を合法と認める判決を下していた。同性同士の性行為を違法とするインドの刑法第377条は覆され、性的マイノリティー(性的少数者)が市民権を得たのだ。
性に関するインドの法律が大きく変わった以上、スミット容疑者が名誉殺人を主張したところで、予想以上に厳しい罰が下るものと予想される。
・合わせて読みたい→女装癖と性的嗜好丸出しの写真を見られ… 羞恥に耐えかねた父親が13歳息子を殺害
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)