生配信も仕切る岸田陣営の懐刀・村井英樹衆院議員 「首相の発信力に必要なのは『回答力』」

自民党総裁選に最初に名乗りを上げた岸田文雄・前政調会長。その生配信を仕切った懐刀・村井英樹衆院議員に直撃。

■「新自由主義からの転換」とは

村井英樹

8日の会見で岸田氏が発表し、ツイッターのトレンド上位にも入った「新自由主義からの転換」。

「安新自由主義は、一般的に政府の役割は小さくして、出来るだけ市場に任せていこうという考え方。そうした経済政策が、小泉政権以降推進される中で、確かに経済の体質が強くなり、成長率も上がった。アベノミクスでは、多くの大企業が史上最高益となった。ただその一方で、一般の方の声を伺うと、その果実を享受できている実感がない。実際に、給与も上がらず、可処分所得で見ると下がっている方も少なくない」と語る村井氏。

「経済には、成長と分配の両面が必要で、まずは、成長なくして分配なし、です。しかし、同時に、分配なくして消費・需要の盛り上がりはありません。分配なくして次の成長なし、とも言えます。もう少し分配を強化していく必要があります。」

こうした政治思想は、保守本流を自認する宏池会がそもそも掲げてきた考え方に近い。

「宏池会ではよく『分厚い中間層』と言っている。かつては、一億総中流とも言われたが、所得分布をみると中央値が低所得のほうにズレてきている。この状態が続くと、社会に不満がたまり、欧米などで起きた分断と混乱が我が国でも起きかねない。そうしたことがないように、先手先手で成長の果実を多くの方に届けたい」

新たな成長を生み出すと同時に社会の分断も防ぐことが、この経済政策の目的だという。


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■コロナ対策は「納得感のある説明」を

コロナ禍の中で首相に就任し、休日返上でコロナ対策に取り組みながらも国民の信頼を得られなかった菅政権。村井氏は菅首相の努力や姿勢は評価しながらも、「コロナ対策で一番重要なのは、納得感のある説明」と語る。

「コロナとの闘いは、国民の協力なしには勝ちきれない。政府が『飲み会を控えて』『テレワークして』『旅行に行かないで』とお願いしても、『政治家だって会食しているじゃないか』となると国民の納得は得られない。自らを律しつつ、理論的な説明で納得感を高める。さらに、経済的な補償も必要」と村井氏。

記者会見は常に棒読みで、質問にも正面から答えなかった菅首相に対して、次期政権は高い説明能力が問われることになりそうだ。

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■首相に求められる発信力は「回答力」