盗んだ霊柩車で高速道路へ 遺体が転がり落ちても続いた男と警察のカーチェイス
霊柩車を所有する葬儀場の経営者は、「大切なご遺体になんとひどいことを」とカンカンだ。
アメリカのジョージア州でこのほど、火葬場に停められていた霊柩車が盗まれた。遺体は安らかに眠るどころか、その後とんだアクシデントに見舞われたことを、警察がFacebookで報告。『Fox News』など海外メディアもその話題を伝えている。
■遺体を乗せた霊柩車を…
同州ロックデール郡のコンヤーズ市にある火葬場で、このほど大変珍しい車の窃盗事件が起きた。エンジンがかかったまま止められていた霊柩車に1人の男が飛び乗り、猛スピードで走り去ったという。
男はその霊柩車で西のアトランタ市に向かって州間高速道路I-20に乗り、通報を受けた市警との間でカーチェイスが始まった。
■遺体がハッチから飛び出す
霊柩車は、西隣のデカルブ郡に入ると走行中に複数の車に衝突。するとある地点で後方のハッチが開き、寝台レールからストレッチャーが飛び出し、遺体が外に転がり落ちた。
パトカーは犯人の身柄確保に専念し、霊柩車に衝突されて車を停止させていた現場の人々が、遺体を路肩に寄せて“安置”したという。
■車を乗り捨てて逃走
ある車両に衝突した際にタイヤがパンクし、霊柩車はやっと停止したが、運転していた男は現場から逃走。森林地帯に逃げ込み、身柄の確保には至らなかった。
人々にこの男についての情報提供の協力を呼びかけていたコンヤーズ市警だが、その後、Facebookの公式ページを通じて「キジョン・グリフィンという23歳の男が出頭してきた」と報告。
捜索に協力してくれたデカルブ郡警察、警察犬、州ハイウェイパトロール隊などにも感謝の気持ちを伝えている。
■所有者は激怒
霊柩車の所有者であるスタンヘンダーソン・アンド・サンズ葬儀場の経営者は、「亡くなられた方は安らかに眠らせてあげるべき。大切なご遺体になんとひどいことを」とカンカン。遺族の怒りもただではない。
グリフィン容疑者の身柄は、現在ロックデール郡拘置所にある。車両の窃盗、危険運転による物損および現場からの逃走、死体の窃盗、損壊、遺棄など、重罪を含む複数の容疑で起訴されることになるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)