自爆テロで60人以上死亡のアフガン・カブール空港 難民国外流出の第二ステージへ

国外脱出を求める人々が殺到していたアフガニスタンの首都・カブール空港付近で爆発。60人以上が死亡し、自爆テロと見られている。

2021/08/27 09:10

■日本とアフガニスタン

アフガニスタン

「アフガニスタンを見捨てないで、忘れないで!」。米軍進攻から間もなく開催された2002年1月のアフガニスタン復興支援東京会議。社団法人・日本アフガニスタン協会(東京)の松浪邦子さんは、同国女性から急き込むように話しかけられたのを鮮明に覚えている。

「国際社会から見捨てられてる、との思いからでしょうね」と松浪さんは女性の心情を察する。両国は1930年11月、国交樹立。日本は教育、医療、農村へのインフラ整備に協力し、米英とともに世界トップクラスの支援金供出国として知られる。

凶弾に倒れた故・中村哲医師を「あれほど体を張って人道支援に尽くした人物は、他の外国人には見当たらない」と胸を張る。1976~78年、大学教員の夫と滞在中、現地の日本人観はとても良好だった。

「日露戦争で日本が(憎き)ソ連をやっつけてくれた」と話題に持ち掛けられた。「第二次大戦でアメリカに敗れてから、必死に這い上がり、高度成長でのし上がったニッポン。強いシンパシーを抱いてくれました」と振り返る。


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■内戦・介入はこれで終わりに

輸送機に乗り込みに殺到するアフガニスタン人。「留学など明確な目標を持ちえず、故郷を脱出せざるを得ないのが悲しい」。

江藤さんはこの20年間の結末を嘆くが、その一方で外国の資金協力により「高層ビルが建ち、道路整備がされ、洋服やパン工場などもできた。教育レベルも上がった」などと、産業振興の基盤整備が進んだことを率直に認める。

「農業と牧畜以外に新産業を」と心を砕き、江藤さんは現地の職業訓練学校建設に奔走してきた。新政権に就くトップに対しは「ほかの勢力と共同し、心に深い傷を負った国民を癒せる政治にしてほしい」と切に願う。

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(取材・文/しらべぇ編集部・渡部宏人

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