動物園から出禁にされた女性が涙の訴え 「チンパンジーに恋をしちゃダメなの?」
人間の女性と愛し合っている…? このチンパンジーは今後、仲間との関係を回復できるだろうか。
このたびベルギーで、チンパンジーに恋をした女性が動物園から出入り禁止になり、「私たちは愛し合っているのに…」と涙ながらに訴えたという。イギリスの『Metro』や『LAD BIBLE』が報じている。
■チンパンジーに一目惚れ
人間が想像する以上に知能が高く、愛情深いことでも知られる霊長類たち。特にチンパンジーは人間に最も近い動物と言われ、ゲノム(全遺伝情報)を比べると約98.8%が同じだと言われている。
ベルギーのアンテウェルペン市にあるアントウェルペン動物園には、チタという名の38歳のオスのチンパンジーがいるが、アディー・ティマーマンズさんという女性は4年前、そのチタに一目惚れ。以来、足しげく同動物園に通っていたそうだ。
■「私たちには愛情と固い絆が」
しばらく通ううちに、アディーさんが来園するとチタも窓ガラスに駆け寄り、お互い熱心にコミュニケーションをとるように。アディーさんが話しかければチタも嬉しそうに反応し、手を振り合い、投げキスをするまでになった。
アディーさんは「私たちは完全に愛し合い、固い絆で結ばれているのです。私は既婚者ですが、チタに浮気をしている状態です」と話す。
■次第にチタは仲間外れに
最初は動物園のスタッフも、チタとアディーさんの様子を微笑ましく見守っていた。だが次第にチタは他のチンパンジーたちから仲間外れにされ、無視されるようになってしまった。
スタッフは「人間との距離が近づきすぎたチタは、他のチンパンジーから“仲間”と意識されなくなってしまったのではないか、と考えています」と話している。
チンパンジーとして生活する幸せを優先させるべきだと考え、動物園側はアディーさんにそのことへの理解を求めたが納得してもらえず、出入り禁止にせざるを得なかったという。
■女性は号泣
出入り禁止という厳しい措置に、大号泣したアディーさん。メディアの取材には「愛するチタに会えなくなったら、私には何も残りません。なぜ他の来園者はチタに会えるのに、私は会えないの? 動物に恋してはいけないんですか?」と切々と訴えた。
アディーさんに会えなくなったチタの不安や寂しさも心配だが、チンパンジーはそもそも群れで行動し、特にオスは序列を重要視する。それが乱れると、最悪の場合は殺し合いにもなりかねないため、園側は「残念ながら仕方がない措置でした」と話している。
・合わせて読みたい→チーターに襲われ大出血のボランティア飼育員 動物園への不信感で事故映像を公開
(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)