過熱するも市民は冷める横浜市長選挙で珍事連発 全候補取材から見えたものとは
8月8日告示、8月22日投票の横浜市長選挙も折り返し地点を過ぎた。
■英語都市を目指し禁煙政策を謳う松沢成文候補
前・神奈川県知事の松沢成文候補を取材したのは12日夜、戸塚駅地下道。到着すると、NHK党から大阪選挙区で2019年の参院選に出馬した尾﨑全紀氏がいた。各陣営を回っているという。
同陣営には、今年の千代田区区議補選や都議選に女装で臨み話題となった梅田なつき氏が応援に入っている。松沢氏は知事時代に全国に先駆けて受動喫煙防止条例を制定したタバコ問題のエキスパート。嫌煙権運動を展開する梅田氏はその関係で古くから知り、応援しているという。
松沢氏が到着するや挨拶をすると「ここでは、反響しちゃうから演説をやらないよ」と言われたので、交渉して8分ほど肉声で演説してもらった。
松沢氏は英語を普及させ、シンガポールのような国際都市に横浜をすると大きなビジョンを語った。松沢氏といえば、松沢仮面が他候補とおぼしきキャラを論破していく漫画で話題になっている。
■人が集まる田中康夫氏
私が一番注目しているのが田中康夫候補だ。田中氏に張り付くと、行く先々で、演説を始めると通行人が足を止め、最後は30人から50人ほどが聞き入る。演説は平均50分と長いのが特徴。
原稿も見ずに横浜の未来を落ち着いた声でとつとつと語る。街宣車は候補者本人がずっとウグイスをやる。
通行人が手を振る、玄関から出てきてチラシを受け取る、マンションのベランダに出てきて「頑張って」と声をかける、並走する車の窓を開けて歓声をあげる。そんな光景が田中陣営では当たり前だ。
驚いたのは市バスの運転手が何人も手を振ることだ。田中氏の選挙は2000年の長野県知事選挙から取材しているが、さすがにそこまでは盛り上がらなかった。