160kmを22時間以内に走破 ギネス認定員も驚いた最強の女性義足ランナー
女性は1994年のバイク事故の末に左の膝から下を失ったが、義足になっても走ることへの情熱は失われなかったという。
アメリカの女性が、このほど『ギネス世界記録』の認定員の目の前で大変な快挙を成し遂げ、世界一の記録を打ち立てた。「これほどまでに強じんな体を、脚を持つ女性も珍しい」と彼らをうならせた彼女の左脚は、なんと義足だという。
■ギネス初登場のカテゴリー
このほど、初めて『ギネス世界記録』に設けられた「ジムのトレッドミル(ランニングマシン)に乗り、22時間以内で100マイル(160km)以上を走る」というカテゴリー。これに挑戦したのは、ニューヨークに暮らすエイミー・パルミエロ=ウィンターズさんだ。
会場となったジムには『ギネス世界記録』の認定員や撮影スタッフが迎えられ、カメラが回るなか、エイミーさんのとてつもない試練が始まった。
■記録は21時間43分29秒
22時間以内で100マイル以上を走り抜くという、エイミーさんの挑戦は見事成功。複数本用意された義足を時おり交換しながら、開始後21時間43分29秒で100マイルを突破。詳細は12日に『ギネス世界記録』の公式HPで明らかにされた。
エイミーさんは子供を育てる母親であり、今月18日に49歳の誕生日を迎える。体力がみなぎる若手ランナーではないことにも驚くばかりだ。
■1994年の事故で義足に
1994年にバイクで事故を起こし、25回もの手術が繰り返された末に、左の膝から下を失ってしまったエイミーさん。だが義足になっても走ることへの情熱を失うことはなかった。
2004年には、妊娠5ヶ月の身で参加したシルバーストランド・マラソン(カリフォルニア州)で、パラ部門の2位に。
2005年にはニューヨーク・シティー・トライアスロンに挑戦し、同3位に輝いた。2006年、シカゴ・マラソンで打ち立てた3時間04分という記録は、男女問わず義足のランナーにおける最高記録だという。
■男性も敵わぬ驚異の記録
エイミーさんは、2009年からはぐんと距離が長くなるウルトラ・マラソンにも挑戦するように。すると、健常者ばかりだった米国ウルトラ・ランニング・チームのメンバーに、義足のランナーとして初めて迎えられた。
2010年、国際ウルトラ・ランナーズ協会がフランスで開催した世界選手権「女性・48時間」のレースで、エイミーさんは18位でフィニッシュ。123.99マイル(約200km)もの距離を走り切った。
また、2014年には「3日間・320マイル(約515km)」のウルトラ・トライアスロンをも完走。これは、男女を問わず義足ランナーとしては初の快挙だという。
"Is it easy? No it’s not easy. Do I make it look easy? Yes I do. Because if I didn’t make it look easy, then other people wouldn’t want to continue as well."
— Guinness World Records (@GWR) August 13, 2021
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)