辞書を26冊所有する女子大生に聞いた 「出版社によって全く違う表現が魅力」
それぞれの出版社によって、内容や表現の仕方に違いがあることが魅力の一つだという。
2021/08/16 14:30
戦後、1972年に新たに「新明解」として生まれ変わり、2011年刊行の第七版まで版を重ねた『新明解国語辞典』(三省堂)は、累計売上部数2,200万部を突破した「日本で一番売れている小型国語辞典」。
2020年11月には第八版を発売した。そんな『新明解国語辞典』との出会いで、人生が変わった女子大生がいる。
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■辞書の表現に衝撃
文学部で日本語学を学ぶ、んちゅたぐいさんは、現在大学4年生で就職活動の真っ最中。小学5年生のときに家の本棚にあった新明解国語辞典第四版で、「動物園をひいてごらん」と父にアドバイスを受けた。しかし、そこに書いてあった文字に衝撃を受けたという。
『新明解国語辞典 第四版』では、動物園を「生態を公衆に見せ、かたわらに保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする、人間中心の施設」と表現。
このことで、「ほかの辞書ではどう解説しているんだろう」と辞書に対する興味を持ったそうだ。
■中学生から古本屋めぐり
小学6年生の時点では計5冊の辞書をそろえて、中学生になると都内の古本屋めぐりを始めた。その際に広辞苑の初版を発見したことに感動し、それを抱えて遠くの古本屋から持ち帰ったことが今でも忘れられないという。
当時について「かなり重かったことを覚えている」と語るが、現在はその量が26冊まで増えた。それぞれの出版社によって、内容や表現の仕方に違いがあることが魅力の一つだという。