走行中の助手席で破水した女性が自力出産 パートナーは病院目指してひたすら運転
女性は助手席でいきみ、必死の思いで我が子を取り上げた。「私自身とても信じられずにいます」と話している。
アメリカ・アラバマ州で、このほど女性が車の助手席で赤ちゃんを出産した。パートナーは高速道路を猛スピードで走らせており、間もなく病院に到着するはずだったことを、現地メディアの『Fox10 News』ほかが報じている。
■父親の自宅で異変に気付く
アメリカ・アラバマ州南部のモービル市で、ケイリー・ヴァイガーさんという女性が、車の中で赤ちゃんを出産した。彼女は父親の自宅で過ごしていたその日、軽いお腹の痛みを感じて不安に。
助産師からは「念のため受診を」という助言があり、赤ちゃんのパパで恋人のエリ・エイドソンさんが運転する車で、東隣のフロリダ州ペンサコーラ市にあるアセンション・セイクレッド・ハート・ペンサコーラ病院に向かうことにした。所要時間は1時間半だった。
■車内で破水
ケイリーさんは「念のための受診」と話していたが、それはなんと陣痛だった。ぐんぐんと痛みは激しくなり、間隔が短くなってうめき声がもれるようになると、エリさんは州間高速道路I-10を東に向かって車を思い切り飛ばした。
ほどなくしてケイリーさんは破水。赤ちゃんはさらに下りてきたが、エリさんはハンドルを握るのが精一杯で、分娩を介助することは全くできなかった。
■自分で赤ちゃんを取り上げる
ケイリーさんは911緊急通報指令室のオペレーターの指示を仰ぎながら、耐え切れなくなったところでいきみ、赤ちゃんを自分の手で取り上げた。病院では産科の医療スタッフたちが車の到着を待っており、ただちに処置室へと運ばれて迅速な処置が施された。
生まれた赤ちゃんにはパイパー・ジーンくんと命名。2,097グラムと低体重ではあるが健康状態は良好で、新生児集中治療室に入ることなく、数日後には親子そろって退院できそうだという。
■「ごく軽い痛みだったのに」
メディアの取材に応じたケイリーさんは、「今振り返ってみても、腹痛は本当に軽かったのです。でも車内でどんどん強い痛みに変わり、破水した後はあっという間でした」と話している。
「自分自身でも、なぜ…と信じられずにいます」とも話すケイリーさん。安産だったことは嬉しいが、予期せず車の中で破水し、出産したことは、複雑な気持ちになるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)