父親に殺されかけ瀕死の重傷を負った少年 警察官が養子に迎え家族の一員に
刺され、焼かれ、生死の境をさまよった男の子。その子を受け入れたのは、ある警察官一家だった。
母親と姉を惨殺され、自らも殺されかけた男の子。その子と心を通わせた警察官が、のちに男の子を養子に迎え我が子として育て始めた。おぞましい事件、そして男の子の今について、『Fox News』などアメリカのメディアが伝えている。
■凄惨な殺人事件
2018年のこと、アメリカ・フロリダ州で殺人事件が起きた。凶行に及んだのは一家の父親で、襲われたのは障害を持つ娘(9)、息子(8)、そして男の恋人で子供たちの母親でもある女性だった。
男は娘を手斧で殺害し、さらには命ごいする女性を殴りつけて銃殺。息子には刃物を突き刺し、その小さな体と家に火を放った。男の子は瀕死の状態に陥りながらも、警官隊の到着直後に家から脱出して病院に搬送され、父親は逮捕された。
まだ幼かったにもかかわらず、男の子はあまりにも悲惨なかたちで家族を失った。
■警察官との絆
事件発生直後に現場に向かった警察官たちは男の子の様子を気にかけ、ひとりは男の子の状態が落ち着くのを待って病院に見舞いに行った。よほど寂しかったのか、男の子は見舞いを終えて帰ろうとする警察官の手をつかみ、「一緒に映画を観てくれる?」と問いかけた。
警察官は「無理だ」「仕事に戻らなくちゃ」と答えたが、悲しそうな男の子を見て胸を痛め、「じゃあ今晩またここに来るから、そのとき一緒に映画を観ようか」と提案。その約束を守り、同日の晩に妻と病院に行って男の子と映画を鑑賞した。