将来を有望視されていた14歳の天才バイクレーサー ウーゴ・ミリャン選手が事故死
ヨーロピアン・タレント・カップは、『MotoGP』を目指す10代選手の重要な登竜門だ。
スペイン・アラゴン州アルカニス近郊のモーターランド・アラゴンで行われていた、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)によるバイク・サーキット『ヨーロピアン・タレント・カップ』。その第1レースに参戦していた弱冠14歳のライダーが、25日に事故により死亡した。
■将来有望だった14歳
死亡したのは、ウーゴ・ミリャン(HugoMillán)選手。バレンシアのサーキット・リカルド・トルモによる、プロモーションカップ『クナ・デ・カンペオネス(Cuna de Campeones)』のチームに所属していた。
今シーズンは表彰台に5度上がるなど戦績もすばらしく、総合順位は2位。今回挑んだのはシーズン7レース目だったという。
■動き出したとき後続車に…
ウーゴ選手は先頭争いを繰り広げていた2ラップ目の5コーナーで転倒し、コースの中央へ。続いてコースの外に出ようとしたところ、後続のミリャン・ガルシアのバイクに激突してしまった。背後をしっかり確認して動き出したように見えた、との情報もあるようだ。
サーキットの医療センターからヘリコプターでサラゴサ病院(Zaragoza Hospital)に空輸され、そこで死亡が確認された。この事故を受け、ヨーロピアン・タレント・カップの第2レースはキャンセルとなっている。
■哀悼のツイートが世界から
いつも笑顔を絶やさず、人々から愛されていたというウーゴ選手。悲劇的で突然の死に、今、彼のサポーターや多くの関係者がSNSを通じて哀悼の意を捧げ、誰もが異口同音に「彼を突然失った悲しみはあまりにも深い」「素晴らしいプロ意識の持ち主だった。その存在を忘れることはない」と嘆いている。
チーム・スズキ・エクスター(スズキ・MotoGP)も、クナ・デ・カンペオネスのTwitterをリツイートする形で、その早すぎる死を悼んでいる。
■5月にはMoto3でも
ヨーロピアン・タレント・カップは、ロードレース世界選手権『MotoGP』への出場を目指す10代の選手たちが挑戦するレース。しかしイタリアのムジェロ・サーキットで行われた第6戦イタリアGPでは、5月29日のMoto3クラス予選レースで、ジェイソン・デュパスキエ選手(19)が事故死していた。
バイクに魅せられ、ウーゴ選手やジェイソン選手に憧れていた子供たちは多い。しかし、事故は常に大きな悲劇をもたらすことを、覚えておいてほしいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)