候補者乱立の横浜市長選挙 林文子市長と田中康夫元長野県知事の一騎打ちか

出馬表明候補者が史上最多に。横浜市長選挙の情勢に詳しい記者に話を聞いた。

2021/07/27 19:15

■過去の得票は…

情勢分析をする上でいくつかの数字をあげたい。林市長が前回とったのは59万8,115票。2019年の統一地方選で自民党が横浜市でとった票が46万5800票。これらは保守系の林市長や小此木氏、自民党の衆院議員だった福田氏で割れるだろう。

同じ年の統一地方選で立憲民主党と日本共産党が横浜市でとった票が28万7,333票。可能性はないが、それが丸々、山中氏に入ったとしても当選は難しい。2019年の参議院選神奈川選挙区で松沢氏がとった横浜票は22万6,729票で、これも当選には及ばない。


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■田中元知事の会見場所

田中氏は、25日、筆者を含むフリーの記者によるグループインタビューに答えて3時間熱弁をふるった。

候補者一本化については「大変生意気な言い方ですけども、民主主義の望むべきあり方なんでしょうか。それは、何か開かれた談合のような話になっていくのではないか」と従来の主張を述べ、可能性を否定した。

また、米軍施設の返還に伴い、上瀬谷地区に医療、救急、消防、保健の拠点を設け、災害時には全国に派遣する考えを示した。

出馬会見を他候補が横浜市役所で行う中、あえて、ホテルニューグランドでしたことについて、1923年に起きた関東大震災のガレキで山下公園が作られたという歴史を指摘。

ホテルの先に山下埠頭があり、そういう鎮魂の場所をカジノという享楽の場にしていいのかと問題提起し、「横浜のランドマークとなるホテルを作ろうと、みんながお金を出してできたのがそのホテル。そういう象徴的な場所なんです」と述べた。


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■若い層への浸透が鍵

田中氏に弱い点があるとすれば若い層への浸透だろうか。神奈川区に住み、7歳と5歳の娘を持つ2児の母が語る。

「田中さんが長野県知事選挙に当選したのは私が大学二年生の頃。『脱・記者クラブ』や『脱ダム宣言』など長野で進めた画期的な政策を鮮烈に覚えています。


ただ、みなとみらいなどで、若い世代の『ママ友』と話すと、長野県知事時代の田中さんを知らない。あの実績が浸透すれば、支持する人も増えると思います」


市長選挙は25%以上の得票を得た候補がいない場合は再選挙となる。はてさて、どうなるか。筆者は今後、横浜市長選挙を取材し、その都度、報告していくつもりだ。

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(取材・文/France10・及川健二

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