秋葉原に突如出現したレトロな「銭湯」 見た者を感激させるその正体とは…
秋葉原の駅前ビルに出現した謎の「銭湯」。正体を知った記者はそのクオリティに感激した。
■廃業した銭湯の物品を活用
上部は銭湯ではおなじみのフォルムである、神社風の屋根。現地に掲出してあった資料によれば、兎毛通(うのけどおし)、唐破風(からはふ)、鬼瓦、千鳥破風、湯気抜き窓という単語が書かれていたが、さすがの記者も一切理解できなかった。
スマホでその用語を調べようとするも「兎毛通とは、唐破風の中央につく懸魚(げぎょ)」とまるでお経のような説明書きがありますます混乱。とにかく、銭湯のあの建築技法、そう無理やり理解した。
バック部分には銭湯のコンクリの煙突。車体左側は先ほど外から見かけた反対側の洗い場である。
この山車、部品の多くを廃業などした実際の銭湯から譲り受け、有効利用しているらしい。
シャワーや下駄箱、タイルは「月の湯」、大黒柱、ロッカーは「菊水湯」、カランは「松の湯」、その他の小物や看板は「おとめ湯」などで使われていた物と記載があった。
2015年に廃業した本郷 菊水湯。
その大黒柱を、彫刻家の村田勇気が譲り受け保管していました。再び日の目を見る時が来たようです。 pic.twitter.com/T87HXzNZOT— 令和三年度 銭湯山車巡行 (@sento_dashi) April 19, 2021
■一体何のために!?
今回の催しを企画したのは、文京区を中心に建築物の魅力を発信し続けている「文京建築会ユース(BKY)」と「銭湯山車巡行部」。
「今はなき銭湯を弔い、今を生きる銭湯を寿(ことほ)ぐ、銭湯のための祭りを。」をテーマに、地域大衆文化・銭湯の活性化のためにプロジェクトを推進している。
山車は18日に巡行1日目が行われ、鶯谷から秋葉原まで移動したそう。
8月7日まではここ秋葉原UDXで展示が行われ、翌8日に秋葉原から根津に巡行。以降は22日まで再び秋葉原で展示される予定だ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・キモカメコ 佐藤)