余命数時間の父親の枕元で急きょ結婚式 「最も幸せで最も悲しい1日に」娘が告白

最愛の娘とバージンロードを歩く夢を果たせない無念さ。そんな父親の気持ちを察し、娘は涙を流す日々が続いた。

2021/07/12 07:00

結婚式

どの女性にとっても、結婚式は最高に美しく幸せなイベントであるはずだ。だが、その女性が挙げた結婚式は、あまりにも特別なものだった。アメリカの『TODAY』に寄せられた親子の絆、愛があふれるストーリーが「涙なしでは読めない」と話題になっている。


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■人生で最も幸せで悲しい1日に

投稿者はニューヨーク州在住のサラ・タレントさん。

記事は『As my dad was dying of colon cancer, I planned a last-minute wedding at his bedside(結腸がんを患った私の父が余命わずかと知り、急きょ彼の枕元で結婚式を挙げることに)』というタイトルで、サラさんは「普通、結婚式を挙げる日は人生で最も幸せな1日となるものです。でも私にとってその日は、人生で最も悲しい1日でもありました。父が亡くったのです」と説明している。

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■婚約を祝う旅行は大成功

サラさんは、父親が結腸がんと診断される半年前に撮影された親子のツーショット写真を公開し、「この5年後に私はエリックという素晴らしい男性に出会い、その1年後には両家の全員でディズニーワールドに旅行し、皆に婚約を祝ってもらいました」とつづっている。

父親はすでに車いす生活だったが、表情はいきいきとし、旅行を心から楽しんでいる様子だった。ところが数週間もなく病状は悪化し、ついにホスピスへ。旅行で楽しい思い出を作れたこと自体が、もはや奇跡だったと誰もが痛感したという。

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■誰もが一致団結して協力

衰弱が進む父親の枕元で、サラさんは「ささやかな結婚式でいい。ここで挙げたい」と思うようになり、婚約者のエリックさんも快諾。両親が大切にしてきた自慢の美しい庭で豪華な挙式をと考えていたふたりだが、そんなことはどうでもよくなった。

だがホスピスの看護師に相談すると、「では今すぐに。恐らくあと数時間しか持たないと思う」という返事で、そこからは時間との闘いとなった。

サラさんの親友は花束を、家族はケーキとシャンパンを持ってホスピスに現れ、エリックさんは自宅に戻り白いドレスをとってきてくれた。また、エリックさんの兄は新品のボタンダウンシャツを用意。背中を裁断して病床の父親に着せてくれた。


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■式を終えると体調に異変

ジョージア州アトランタに暮らすエリックさんの親族に、FaceTimeで見守ってもらいながら結婚式はスタート。サラさんの兄の友人である裁判官の男性が公的書類を持参し、式を執り行ってくれたのだ。

永遠の愛を誓い合ったシーンでは、小さな声で「Yeah…」と言って祝福してくれた父親だったが、式の後にやはり体調に異変が現れた。最期のときは、長年寄り添った老夫婦が二人だけで過ごせるよう、全員が退室したという。


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■最愛の父を日々想う

挙式から6年が経過した今でも、その日のことを忘れることはないというサラさん。周囲がスピーディーに動いて式の準備をしてくれたことも、大きな感動だったという。

「父は頑張ってくれました。娘が愛する人と結ばれたことを認めてから、あの世に旅立ったのだと思います」とサラさん。しかし彼女には親孝行をしたという気持ちはない。愛情深い父に十分かわいがられ、幸せな人生を歩めたことへの感謝の気持ち、そして寂しさ、喪失感は増すばかりだという。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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