追加接種3回目の副反応はさらにキツイ 新型コロナワクチン治験参加の米医師が告白
「ワクチン接種を繰り返すより、治療薬の研究と完成に重点を」と望む声は一層高まっている。
米国・ファイザー社が、新型コロナウイルス・ワクチンの3回目の追加接種、いわゆるブースターショットについて、来月中にも米国食品医薬品局(FDA)に許可を申請する予定だと発表した。
独自調査を経て、3回の接種により抗体レベルが2回接種の5~10倍にもアップするとしている。だが、メッセンジャーRNA(mRNA)タイプの新型コロナワクチンでは、多くの人が2回目の接種後に辛い副反応を経験。「3回目はどうなってしまうのか」と不安を抱く人は多い。
その3回目を早くも受けたという米・テキサス州の医師が、自身が感じた副反応について語り、それが全米に拡散している。
■デルタ株の影響強く
モデルナ社も含め、メッセンジャーRNA(mRNA)タイプの新型コロナワクチンについては、典型的な副反応として1回目の接種はあっても腕の強い痛み程度、2回目は40代より若い場合、8割近くが翌日に38℃以上の発熱を経験などと各国で報じられてきた。
ところが、国民全体の接種のペースが非常に早かったイスラエルでは、半年以内に2回目のファイザー製ワクチン接種を終えた人たちまでが、次々と新型コロナに再感染。
デルタ株の出現により同ワクチンの現在の評価は、重症化を防ぐ効果は95%前後だが、感染および発症の予防効果は60%台に下がってしまっている。
■40代男性医師が治験に参加
最近、3回目のmRNAワクチン接種を受けたというのは、テキサス州ヒューストン市の私立ベイラー医科大学でウイルス学を教えるジョゼフ・マイケル・ハイザー准教授。副反応が出やすいとされる40代前半だ。
1回目と2回目にファイザー製ワクチンの接種を受けていた彼は、ファイザー/モデルナの両ワクチンを組み合わせることで問題が起きるか否かを調べる、ミックス・アンド・マッチと呼ばれる治験に参加。3回目はモデルナ製ワクチンが打たれたという。
■肩は殴られたような痛み
この件に強い関心を示していたユタ州のメディア『DESERET』は、さっそくハイザー氏の「やはり同じような副反応で、3回目はさらに少し強くなった。悪寒がひどく、痛みはまるで肩を強く殴られたような感じがした。モデルナ製だったせいもあるかもしれないが…」という感想を紹介。
休みを取り、頭痛と熱にはイブプロフェンの鎮痛解熱剤で対処したという。
なお、米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は、ウイルスベクターワクチンであるジョンソン・エンド・ジョンソン社の新型コロナワクチンについても、追加の接種が必要になる可能性があると述べている。
■世界が望む治療薬の完成
ハイザー氏が説明した3回目接種の副反応の様子に、「あの苦痛をさらに強くしたものを、また乗り越えなければならないのか」とウンザリ、あるいは新たな不安や恐怖を抱いた人は多いことだろう。
「せめて先に検査して、体内の抗体の数値を確認してからにしてほしい」「効果が95%前後と絶賛されているから強い痛みにも我慢ができた」「ワクチンより、治療薬の研究と完成に重点を置いてほしい」といった声は世界中からあがっている。
・合わせて読みたい→ワクチン1回接種後にコロナ感染した女性 「3ヶ月後にまた2回接種」と説明
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)