お菓子缶を使った本格ドラムセット その誕生秘話を製作者に聞いた
缶を実際に作っている大阪製罐の全面協力のもと、約4カ月かけてほぼ一人で組み上げたそうだ。
2021/07/04 08:00
ドラムセットとは、大小さまざまなドラムやシンバルなどの打楽器を、一人の奏者が演奏可能な形にまとめたもの。通販サイトでは、約8万円から45万円台まで、色々と販売されている。そのミニチュアドラムセットを、実際のゴーフル缶を使って組み上げたお菓子メーカーがある。
■洋菓子と和菓子の長所をミックス
神戸風月堂は1897年創業で、メイン商品のゴーフルは1927年発売開始。和洋菓子の技術者が、和菓子作りの伝統と洋菓子作りの進取の精神で、「日本人の嗜好に合うように」と作った。フランス製の長所を存分に生かしつつ和菓子の長所を取り入れ、試作・研究に没頭。
二枚の「せんべい」状のものを合わせて1組にし、発売にこぎつけた。また、5がフルにそろった1980(昭和55)年5月5日を記念して『ゴーフルデー』をスタート。日本記念日協会にも認定されている。
■社長の提案がキッカケ
ある日、社長が 「ゴーフル缶でドラムセット作ったら、かっこええと思うんですよね。どないですか?」とつぶやいた。それを聞いた工場技術班の一人が制作に立ち上がった。
ある日、社長がつぶやいた。
「ゴーフル缶でドラムセット作ったら、かっこええと思うんですよね。どないですか?」
― 工場の技術班が、本気を見せた。 pic.twitter.com/gnKMbMAoqF
— 神戸風月堂(公式) (@kobefugetsudo) July 1, 2021
缶を実際に作っている大阪製罐の全面協力のもと、約4カ月かけてほぼ一人で組み上げたそうだ。ドラムセットのメインであるバスドラムには、ゴーフル缶が丸ごと使用されており、直径約17センチ。残念ながら音はでないという。
■元町本店で展示中
Twitterの返信欄には、「細部まで細かく丁寧に作られており、素晴らしい」、「このクオリティと心意気で、お菓子を作ってくれてるんですね」といった称賛の声があがっている。
このドラムセットは1日から神戸風月堂元町本店に、ショーケースに入れて展示されている。
・合わせて読みたい→好奇心が招いた悲劇か ドラム式洗濯機に閉じ込められた幼児が事故死
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)