上司から接種を強要され… 職場での“ワクチンハラスメント”を弁護士が解説
新型コロナウイルスワクチンの接種を上司から強要された、接種を拒んだことで不当な扱いを受けた…ワクチン接種をめぐる様々な身近な問題に弁護士が回答。
新型コロナウイルスワクチンの接種が日本でも進みはじめました。しかしその一方で、新たなトラブルも増加しているようです。
■職場でのワクチン接種強要
例えば職場の上司が、従業員に対してワクチン接種を強要することは可能なのでしょうか。齋藤健博弁護士によると…
齋藤弁護士:ワクチン接種はあくまでも個人の判断に基づき、接種されるものです。今後さらにワクチン接種済みの方が増えていくはずですから、例えば「事実上ワクチンの接種を済ませていない場合、リモートワークを継続してもらうなどの判断は会社では適法なのか?」といった相談をよく受けています。その逆で、上司が、従業員にワクチンの接種をいわば強制することは事実上困難であると思います。
■接種を拒んだことで不遇な扱いを受けたら…
もしワクチン接種を拒んだことで、不遇な扱いを受けるようになった場合、どのように上司に異議申し立てすれば良いのでしょうか。
齋藤弁護士:実際にあった相談としては、ワクチン接種をする意向がないことを上司に伝えたところ、プロジェクトから外されたという相談を受けました。そのプロジェクトはいままでどおりリモートワークでも十分実現することができるなようであったとのことでした。
これらは明確にパワーハラスメントに該当する行為ですから、パワハラであることをしっかり指摘する必要があるでしょう。
■接種できない場合、会社にどう伝えるべき?
様々な問題からワクチン接種をしたくない、したくてもできないという場合は、会社にはどのように伝えればいいのでしょうか。
齋藤弁護士:ワクチン接種をする意向がないことを表明することには何ら問題がありません。ただ、会社がワクチン接種に対してどのようなスタンスを取っているのかどうかは、事前にご確認されたほうが無難ではないでしょうか。
・合わせて読みたい→アストラゼネカワクチンはデルタ株に効果60% カナダは「2回目接種はファイザーを」
(企画・文/弁護士・齋藤 健博)