41年間ジャングルで生きたリアル・ターザン男性が発見 “女性”に初遭遇し仰天
ジャングルで生活していた一家は、小動物を狩り、日用品は石や木で手作り。まるでタイムスリップしたようだ。
ベトナムのジャングルで発見された男性。身のこなしの軽さや旺盛な生活力が、「まるでリアル・ターザンだ」と話題を呼んでいるが、彼は初めて「女性」に会ったとき、ひどく驚いてしまったそうだ。イギリスの『Metro』など海外メディアが報じた。
■41年も「人間=敵」と見なす
ベトナムのクアンガイ県タイチャーの奥地で、発見されたホー・ヴァン・ラングさん(49)。彼は子供の頃からなんと41年間も、ジャングルの中で生活をしていた。
1955年から1975年まで続いたベトナム戦争で、1972年にはラングさんの母親ときょうだい2人がアメリカ軍兵士に殺害され、父親のホー・ヴァン・タンさんは幼いラングさんと弟のトリさんを連れ、ジャングルに逃げ込んだ。
それ以来41年間、ラングさん一家はジャングル内で5人の人間にしか会ったことがなく、「人間は敵」と思い込んでいた。父親のタンさんが、人に遭遇する度に場所を変えて生活を続けてきたからだ。
■好物はネズミの頭
しかし8年前、親子3人はとうとう発見され、社会に引き戻された。ジャングルでの不衛生で孤立した生活から救出され、ある村で新しい生活がスタートしたものの、彼らの免疫システムが社会のバクテリアに適応せず、最初は体調を崩すことが続いた。
さらに食事でも苦労した。それまでは木の実、果実、はちみつなどに加え、猿、ヘビ、トカゲやカエルを主食としてきたというのだ。好物はなんと「ネズミの頭」だそうだ。
■初めて「女性」を目にする
41年間、父親から何ら説明もなくジャングルで生活してきたため、ラングさんは社会で初めて「女性」という存在を目にした。体つきや声の違いから、最初はどんな生き物か理解ができなかった。
ジャングルの暮らしでは、性的欲求や性行為も持ったことがなく、女性との本質的な違いを理解することもできずにいるという。
精神面では、社会への適応能力や秩序への理解力が極めて低く、怒りから暴力的になることもあるため、周囲の人々は彼を「まるで大きな赤ちゃん」と表現している。
■「ジャングルに戻りたい」
それでも、基本的には心優しい人物だというラングさん。一家を取材した写真家は「これまで出会った人々の中で最も愛らしい性格です」と語っている。
しかし8年たった今でも、父親のタンさんは「まだベトナム戦争は続いている」とかたくなに主張し、社会や日常生活に恐怖心を抱いている。親子3人で再びジャングルに戻りたいと切望しているそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)