アストラゼネカワクチンはデルタ株に効果60% カナダは「2回目接種はファイザーを」

日本では、ファイザーやモデルナの在庫が尽きれば、アストラゼネカに切り替わる可能性があるが…。

2021/06/28 15:30

新型コロナウイルス・ワクチン・コロナ・新型コロナ
(Inside Creative House/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

アストラゼネカ製新型コロナワクチンについては、接種後の血小板減少症を伴う血栓症が相次いで報告されたことで、接種を見合わせる国がますます増えている。

またインド型変異株「デルタ」の出現で、予防効果そのものへの疑念も深まってきた。そんな中、カナダで大きな方針の転換があったようだ。


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■「次はmRNAワクチンを」

カナダの国家予防接種諮問委員会(The National Advisory Committee on Immunization 略称:NACI)が、新型コロナウイルスワクチンに関するガイドラインを更新したと、『JETRO』などが伝えた。

「1回目の接種がアストラゼネカだった人でも、2回目の接種はファイザーかモデルナのmRNAワクチンを」と勧告したというのだ。

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■原則は「同じワクチンを」

カナダでは5月中旬から多くの州でアストラゼネカ製ワクチンの接種をストップしていたが、それでも他国と同様に「1回目と2回目のワクチンは同じ会社のものを」と示してきた。

しかしNACIは「2回ともアストラゼネカ製ワクチンを打つより、2回目をmRNAワクチンに換えた場合、より望ましい免疫反応が得られるというドイツの報告がある」との理由を挙げ、カナダ政府は今はmRNAワクチンの入手にこだわっているとした。

この方針転換は、アストラゼネ製カワクチンの接種を中断している他の国々にも影響を及ぼす可能性がありそうだ。

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■インド製ワクチンも低評価

インドのメディア『INDIA TODAY』は数日前、自国で製造された新型コロナワクチンの1つで、アストラゼネカ製と同種の「コビシールド(Covishield)」についても不安があると伝えていた。

アメリカにおける新型コロナウイルス研究の第一人者で、米国科学者連盟(The Federation of American Scientists 略称:FAS)に名を連ねるエリック・フェイグル=ディン博士が、「デルタ株について、アストラゼネカとコビシールドの両ワクチンは、2回接種が完了しても効果はわずか60%。

1回の接種では33%」と論じたという。ワクチンの種類にかかわらず、インドで2回接種を受けた人はまだわずか3.7%だ。


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■デルタ株はファイザー2回接種でも感染

デルタ株の感染力はすさまじい。人口の6割近くがワクチン接種を2度完了したイスラエルでは、デルタに感染した成人の約半数が、ファイザー製ワクチンを2度接種していたという。

日本では、ファイザーやモデルナの在庫が尽きればアストラゼネカに切り替わる可能性があるというが、集団免疫の獲得を目指す以上、真に効果を発揮するワクチンであることが重要だ。

このたびのカナダの方針転換から考えても、既存のアストラゼネ製ワクチンはすでに魅力が半減したと考えるべきではないだろうか。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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